今季国内女子ツアーで活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第16回は今年のドライビングディスタンス1位の座についた葭葉ルミをフォーカス。今年の「全米女子オープン」で平均飛距離NO.1に輝いた飛ばし屋は、どのようにしてビッグドライブを生み出しているのか。上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。
【連続写真】ツアー屈指のパワーヒッター・葭葉ルミのスイング
今年から設立されたドライビングディスタンス部門で260.76ヤードをマークし、1位となったのが葭葉さんです。これは平均飛距離なので、実際には280ヤード越えのショットも何度かあったことでしょう。飛ばすことに対してはかなりのポテンシャルがある葭葉さんですが、フィニッシュを見ると、それほど強振しているようには見えません。それにもかかわらず、ロングドライブを放てる理由はどこにあるのでしょうか。
彼女のスイングでまず気がつくのが、ウエイトシフトの大きさです。アドレスでは5対5の体重配分ですが、クラブヘッドをスッと後方に引いた時点で頭と胸が右足の上まできています。それだけ軸足である右足に体重を乗せているのです。正直、どれだけパワーを貯める気なんだといいたいぐらいです。実際、この動きがスイングアークを大きくすることにつながりますが、驚くのは、それだけ体重を乗せても右ヒザが右サイドに流れず、スエーしていないことです。右ヒザが正面を向いたままだからこそ、思い切って体重を右足に乗せることができるのでしょう。
一般的にテークバックが小さいとトップも小さくなりがちですが、葭葉さんは大きなテークバックをとり、だれよりも大きくて高いトップをつくっています。おそらく左足を上げようと思えば上がるのではないでしょうか。それだけ上体を捻転し、右足に体重を乗せている証拠だといえます。さらに、注目してほしいのは、トップでのシャフトです。地面と平行になったところで止まっており、少しもオーバースイングになっていません。通常は、これほど上体を捻転させると、多少はヘッドが垂れるものですが、見事にそれが見られません。単に体を回すのではなく、ヘッドの位置まできちんと管理しているからこそ、飛んで曲らないショットを打てるでしょう。
ダウンスイングの切り返しにも飛ぶ人のポイントが見受けられます。シャフトを地面と平行にキープしたまま、シャフトを下げています。つまり、トップの形をほとんど崩さずに、その場に重心を落としているのです。この動きがあるからこそ、ダウンスイングで左腕とシャフトでできるVの字が鋭角になり、最短距離でクラブを下ろすことに成功しています。当然、ヘッドスピードの加速につながり、飛距離もアップします。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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