柳楽優弥、“大人の色気”で新境地 『おんな城主 直虎』龍雲丸役が人気のワケ

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 NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』が、12月17日の放送で最終回を迎える。 柴咲コウ演じる直虎は、元許嫁の井伊直親(三浦春馬)、井伊家を支えた幼馴染・小野政次(高橋一生)ら、大切な人を喪いながら、井伊家の当主として邁進してきた。そんな直虎が、直虎ではなく “おとわ”として束の間の幸せな日々をおくった相手が、柳楽優弥演じる龍雲丸だ。

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 半裸に赤いふんどし姿というインパクト抜群の登場を見せた龍雲丸は、史実にはいないオリジナルキャラクターとして、物語に緩急を与えてきた。是枝裕和監督作『誰も知らない』で、2004年度の第57回カンヌ国際映画祭において史上最年少および日本人として初めての最優秀主演男優賞を獲得するという衝撃的なデビューから13年。出演作品を重ねるごとに演技の幅を拡げ続けている柳楽だが、龍雲丸役は柳楽のキャリアの中でも特別な位置付けになると、ライターの磯部正和氏は語る。

「最初に龍雲丸の役柄を聞いたとき、映画『許されざる者』、『闇金ウシジマくん Part2』、『ディストラクション・ベイビーズ』などで演じてきたエッジのきいたキャラクターなのかと思っていました。実際、無骨な武将たちが登場する大河ドラマ内において、奇抜な衣装に身を包んだ盗賊の頭という役柄なので、破天荒キャラではあることは間違いないのですが、それだけに留まらず、物語に安心感を与える役割も担っている。龍雲丸が出てくるだけで、どこかホッとさせるものがある。ドラマ『お母さん、娘をやめていいですか?』や映画『最後の命』などで演じていた繊細な心を持つ役柄と、近年増えてきた“飛び道具的”キャラクター、その両方の経験が活かされたキャラクターだったのでは」

 意欲的な作品に出演してきた柳楽だが、柔軟性のあるイメージを世に広めたのは、『勇者ヨシヒコ』シリーズや、『斉木楠雄のΨ難』などヒットコメディを生み出し続けている福田雄一作品への参加が大きかったのではないかと磯部氏は語る。

「ドラマ『アオイホノオ』、映画『銀魂』と、笑いへの瞬発力が要求される福田組に参加した影響は、その後の出演作を見ても大きかったように思います。デビュー時からその演技力には定評がありましたが、弾けたコメディもこなしたことで、さらに役者としての引き出しが増えた。加えて、年齢を重ねる中で “大人の男”としての色気をまとってきた印象です」

 視聴者を沸かせた直虎への愛の告白「おらぁ、あんたのそばにいてえんですから」をはじめ、直虎をさり気なく支え続けるその姿に、龍雲丸の虜になった視聴者は少なくない。

「男社会の中でぶつかり合い傷ついた直虎を、癒やす役割を龍雲丸は担っていました。破天荒なキャラクターでありながら、相反するとも言える抱擁力も備えている。龍雲丸を経験したことで更に演技の幅を拡げたように思います。主演でも助演でも、必ず作品に貢献できる、本当に貴重な俳優ですね」

 三浦春馬、高橋一生、菅田将暉と、今をときめく俳優たちが出演を果たしてきた『おんな城主 直虎』だが、その中でも一際まばゆい存在感を放った柳楽。柔と剛を兼ね備えた柳楽は、唯一無二の俳優としてさらなるキャリアを築いていくに違いない。(石井達也)