「TIGALA株式会社」代表取締役社長を務める正田圭氏

写真拡大

 中学校在学時の15歳で起業。紆余曲折をへて、成長したインターネット事業を売却、10代にして資産1億円を築いた正田圭(まさだ・けい)氏。

 31歳となった現在は、AIによる独自の金融データ解析を用いて、投資銀行サービスを提供するベンチャー企業「TIGALA株式会社」を率いている。そんな正田氏が12月15日より「pedia venture program」を開始するという。

「義務教育世代に『起業のノウハウ』を学ばせたい」と語る、本人にその意図を聞いた。

――中学生向けのスタートアップ支援を企画した狙いとは?

正田:僕はちょっと前まで「学生で起業しないほうがいい」と思っていたんです。僕自身、若くして起業したことを遠回りだったと感じています。むしろ、統計データでも10〜15年の社会経験を積んだのち、40歳くらいで起業するのがベストと言われています。

――では、なぜそれから若者の起業支援に傾いたのでしょうか?

正田:理由が2つありまして。1つが最近、インターンの学生たちとよく接するのですが、正直、彼らがことごとく使い物にならないんです(笑)。僕はアルバイト経験による「雇われグセ」に原因があると思っていて。今の若者は、自分の貴重な時間を切り売りして稼ぐことを覚えてしまった、と。

 もう1つが、今の20代は「相続ゼロ円」の時代だから。今の若者はおじいちゃん世代の土地や貯蓄などの恩恵が親世代で消費されて、その恩恵に預かれない世代なんです。だから、ある程度のリスクを引き受けたうえで、自ら積極的に稼ぎにいかないとダメで、そのためのノウハウを教えたかったからです。

――今回、出資金をクラウドファンディングで集めています。

正田:目標資金100万円です。ただ、正直、それでは今回のプロジェクトには全然足りません。まぁ、より多くの人に知ってもらうためのPR手段として考えています。

――15歳からでも起業は学べるのでしょうか?

正田:たとえば野球選手なら多くが18歳でプロになりますよね。その場合、リトルリーグから甲子園目指して、ドラフトで指名されるまでのトレーニングの蓄積がある。

 しかし、こと経営に関しては、制度上15歳でスタートできるのに、誰もそれまで経営の勉強をしないんです。大人も、なんとなく出世していれば経営側に立てる。本来ならもっと若いうちから経営の勉強をしてもおかしくはない。そこから学校の勉強にフィードバックできる要素もあると思いますし。

――中学生の参加費を無料にしたのはなぜですか?(高校生以上は500円)

正田:有料にして、子供からお金を巻き上げるのは、責任が生じますし、世間体も良くありませんからね(笑)。まぁそれは冗談として、本当は親のハードルを下げるためです。

――親のハードルとは?

正田:僕自身、15歳で起業した当時、会社経営については親に内緒にしていました。今でも自分から積極的に話すことはありません。中学生が「起業したい!」と宣言しても、ほぼ間違いなく親から反対される。

 世の中にはとても優秀なのに、親の反対で起業できない子供が何人もいます。彼らの助けになればと思うのと同時に、この機会に親世代をうまく巻き込み、彼らの理解を得られるようにしたいですね。

――自身が起業した当時と今で環境はどう変わったのでしょうか?

正田:今のほうがだいぶ起業しやすい。そもそもベンチャー企業の定義すら違います。当時はすでに上場していたソフトバンクやサイバーエージェントもベンチャー扱いだった一方、今だと、ベンチャー企業は会社設立3年くらいの会社を指します。

 そして、それを支援するベンチャーキャピタルといった環境もそれなりに整っている。言ってみればキレイな投資家が増えましたね。