米国のトランプ大統領は12日、2018会計年度国防授権法に署名した。同法には、米台の海軍軍艦の相互訪問などについての内容が盛り込まれている。中国は同法に対して猛反発しており、駐米公使からは台湾の武力統一を表明する発言も出た。写真は高雄港。

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台湾の英字メディア、台湾新聞などによると、米国のトランプ大統領は米国東部標準時12日、連邦議会がすでに採決していた2018会計年度国防授権法(NDAA)に署名した。同法には、米台の海軍軍艦の相互訪問などについての内容が盛り込まれている。中国は同法に対して猛反発しており、駐米公使からは台湾の「武力統一」を表明する発言も出ている。

トランプ大統領が署名した2018会計年度のNDAAには、米連邦議会が米台の海軍軍艦の相互訪問することの妥当性や可能性を検討すること、高官の交流、米国が行う軍事演習の「レッド・フラッグ」に台湾軍を招待することが盛り込まれている。

中国外交部(中国外務省)の陸慷(ルー・カン)報道官は14日の定例記者会見で、トランプ大統領が署名したNDAAについて「台湾関連の条文に法的拘束力はないが、ひとつの中国の原則と中米の3つのコミュニケにひどく違反している。これは中国への内政干渉だ。中国はこれに断固として反対する。米国政府にはすでに厳重な抗議を提出した」などと述べ、強く批判した。

また、シンガポールメディアの聯合早報によると、中国の李克新駐米公使は8日、NDAAに絡めて米国連邦議会議員に対して「米軍艦が高雄に到着する日は、わが解放軍が台湾を武力統一する時になる」などと述べた。

一方で、台湾新聞によると、米国の台湾との窓口組織である米国在台湾協会(AIT)の元理事長、リチャード・ブッシュ氏はNDAAについて、議会の考えを示したものであり、大統領の行動を決めたり命令するものではないとして、米国が早い時期に海軍軍艦を台湾に派遣することは考えにくいと述べた。

陸報道官が14日の記者会見で言及した3つのコミュニケとは、1972年に米ニクソン大統領が中国を電撃訪問した際に発表された上海コミュニケ、79年1月1日に発効した米中の国交樹立を認めたコミュニケ、82年に発表された米国から台湾への武器売却を削減する内容を盛り込んだコミュニケを指す。

各コミュニケは中国語、英語の2語で発表されているが、「敏感」な部分に違いがある。例えば、国交樹立を宣言した79年のコミュニケでは中国と台湾に関連する部分が、中国語版では「米国政府は、中国は1つであり台湾は中国の一部分とする中国の立場を承認する」、英語版では「米国政府は、中国は1つであり台湾は中国の一部分とする中国の立場を知りおく」と書かれている。

中国側は中国語のを基準にして、米国の台湾に関連する動きについて「米中関係における大原則に違反している」と批判することがある。(翻訳・編集/如月隼人)