社保審・生活保護基準部会で、5年に1回の生活保護基準の見直しに関する検討が終了した。開始時から生活保護の大幅な引き下げが懸念されていたが、母子家庭の深刻な打撃が確実視される(写真はイメージです)

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生活保護基準引き下げ方針で
忘れ去られる「子どもの貧困」

 2017年12月14日、社保審・生活保護基準部会で、5年に1回の生活保護基準の見直しに関する検討が終了した(資料)。6月から行われた今回の検討は、開始時から「大幅な引き下げにつながるのでは」という懸念が数多く表明されてきた。

 11月、報告書の取りまとめに向けた議論が開始されると、次年度からの引き下げは具体的な懸念として表明され、報道され始めた。生活費分(生活扶助)引き下げ幅は、最大で13.7%(都市部・夫婦と子ども2人の世帯)に達する可能性がある。報告書には異なる方法で導いた2通りの結果が掲載されているが、以下では引き下げ幅としては、基本的に最悪の数値を挙げる。

 特に大きな引き下げの可能性が考えられるのは、あらゆる地域において、夫婦と子どもからなる世帯だ。ついで、都市部の高齢者世帯(単身・夫婦)・都市部の若年単身世帯だ。なお、生活保護制度上、高齢者でも子どもでもないとされる年齢は18〜65歳なのだが、今回の検討では「若年」が異なる意味で用いられている。報告書案に挙げらている「若年単身世帯」の世帯主は、50代だ。

 都市部の母子世帯では、引き下げ幅は▲6.1%となっている。深刻な数値ではあるのだが、さらに気になるのは、母子加算の成り行きだ。子どもがいて両親の片方または両方がいない世帯(父子世帯も対象)を対象とする母子加算は、子どもがいる生活保護世帯全体に対する児童養育加算と同様、一般世帯を対象とする児童手当や児童扶養手当とリンクする形で創設された。この母子加算には、2009年4月、自民党政権のもとで廃止されたが、同年12月、民主党政権下で復活されたという経緯がある。

 基準部会では、母子加算に対しても、ひとり親世帯で大人1人がいないことによる「かかりまし」費用としての評価がされた。報告書の記述を具体的な金額に読み替えるのは困難だが、両親の片方がいないことによる「かかりまし」はおおむね1万円程度と考えられているようだ。

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