13日、中国で行われた南京事件を記念する追悼式典で、習近平国家主席が演説しなかったことが「日本への配慮」と伝えられている。この「日中友好ムード」は中国メディアの報道にも垣間見える。写真は南京大虐殺記念館。

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2017年12月13日、中国で行われた南京事件を記念する追悼式典で、習近平(シー・ジンピン)国家主席が演説しなかったことが「日本への配慮」と伝えられているが、中国メディアにも似たような状況が垣間見える。

中国は同日、4回目となる「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」を迎えたが、習主席は南京大虐殺記念館で開かれた式典に出席したものの演説はせず。代わりに登壇した兪正声(ユー・ジョンション)全国政治協商会議主席は「30万人」という犠牲者に触れ、旧日本軍の過去の行いを厳しく批判した。一方で、

「日本の軍国主義が戦争を引き起こし、中国の人々に深刻な災難をもたらし、日本の人々にも大きな傷を与えた。中日両国の国民は、この得難い平和をもっと尊ぶべきだ」
「日中両国は引っ越すことができない隣人で、民間交流は長く、非常に深いつながりがある。日本を含む周辺国家との関係を深めていく」
「今年は中日国交正常化45周年にあたり、来年は中日平和友好条約締結40周年を迎える。中日両国は平和と友好、協力という大きな流れをしっかりと捉え、歴史を鏡として未来に向けて子々孫々までの友好関係を保ち続け、人類の平和のために共に寄与していくべきだ」

などと発言し、日本との関係に前向きな姿勢も示した。

この「日中友好ムード」は中国メディアの報道にも垣間見える。日本を批判する記事に交じり、目につくのが「南京大虐殺を反省する日本人」や「庶民の交流」を強調するもの。

新華社では、中国侵略の歴史の風化に危機感を示す日本人学者・森正孝氏や、「日本は徐々に歴史の教訓から汲み取ることを忘れていっている」と主張する一橋大学の吉田裕教授ら「心ある日本人」を紹介する記事を掲載したほか、元駐中国大使の丹羽宇一郎氏の「反戦メッセージ」なども紹介。南京で13日に行われた「中日市民交流会」の様子を取り上げたメディアもあった。

追悼記念日に先立ち、中国のポータルサイト・新浪では11日に南京で暮らす日本人を紹介した写真特集ページが設けられ、タイトルは「南京の日本人:すべての人が戦争を憎んでいる」だった。(編集/北田)