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手軽にリラックスできて冷え性対策にも確かな効果。
温泉地で人気の足湯、手湯。そのさまざまな効果と、家庭でも簡単にできる方法を紹介します。

手軽な足湯、手湯が温泉地で人気

足だけ温泉気分につかる“足湯”は、今やどこの温泉地に行っても見られる光景です。さらに手軽な、手だけ温める“手湯”も登場しています。また、手と足を同時に温めることができるところもあります。一年のうちで寒さが最も厳しいこの時期、あちこちの足湯や手湯で、立ち上る湯気の中にくつろぐ人たちの姿を目にすることができるでしょう。

足湯・手の嬉しい効果とは?

そもそも足湯や手湯にはどういう効果があるのでしょうか。多くの人が口にするのは、足や手だけでなく全身が温まるという感想。例えば足湯がひざから下しか温めないのに全身に効果が及ぶのは、足には太い血管が走っているため、温められた血液が効率よく全身を巡るからです。手湯では、片方だけ温めてもその温感刺激が脳に伝わり、反対側の手も血管収縮が抑えられて温まるという研究報告があります。

足湯は冷え性の人におすすめ!

足湯や手湯は冷え性の改善に効果がありそう。冷え性の人はよく、手足の冷たさを訴えます。心臓から一番遠い手足は、血流が滞りがちなために冷えやすいという宿命の部位なのです。それに加えて今の季節では、寒さで体が冷えると内臓の血流を確保するために手足など末端の血管を収縮させようとする体の仕組みがあり、なおさら手足の冷えを増幅させてしまいます。こんなとき足湯や手湯で温めると、収縮していた末端の血管も開き、血流が良くなるのです。

疲労やむくみにも効果あり!

長時間歩いて疲れたり、ずっと立ちっ放しでいたためにむくんでしまった足をいたわるのにも、足湯は最適です。疲れた足は、血流だけでなくリンパ液の流れも滞り、血液中に疲労物質(乳酸)がたまっています。お湯の温かさと水圧の効果で血液やリンパ液の循環が回復すると、疲労物質や老廃物が尿とともに体外に排出されやすくなり、疲れやむくみが解消されます。手湯ではひじや手首から指先までをお湯にひたすのですが、肩こりや頭痛、鼻づまり、腕の疲れなどを和らげる効果が期待できます。

家庭でもできる『足湯・手湯』のやり方

足や手を温めるのなら温泉地まで行かなくても、家庭でもできそうです。足湯には足先を伸ばせて、少なくとも足首まで、できればひざ下までつかることができる深めの容器を用意します。大きめのバケツが適当ですが、最近では足湯用のバケツとか、振動や気泡を発生させる電動式のフットバスなども市販されています。手湯は洗面器か洗面台にお湯を張ればよいでしょう。

容器に入れるお湯の温度は42〜43度。バスタブに全身でつかるには少し熱いくらいです。お年寄りや皮膚の弱い人は39度前後が適温。手でも足でも10〜30分つけていると体が温まってくるでしょう。その間にお湯が冷めてきますから、熱いお湯をつぎ足したりする必要があります。全身が温まってきたら、汗をかく前に上着を1枚脱いで調節しましょう。
お湯にアロマテラピー用の精油を数滴たらせば、立ち上る香りでリラックス効果が高まります。スプーン1杯ほどのあら塩を入れると、お湯から出た後も温かさが長い時間持続します。

足湯にしても手湯にしても、実施するにあたって糖尿病の人は注意が必要。神経障害の合併症があると、お湯が熱すぎてもそれを感知する体のセンサーが働かず、やけどの危険があるからです。それを防ぐためには、温度計を用意してお湯の温度を確かめながら行うとよいでしょう。

温めた後は保温にも気を配ろう

温めた後のケアも大切です。足は皮脂の分泌が少ないし、手も皮脂がお湯の中に溶け落ちてしまいますから、とくに乾燥しやすいこの季節は、水気をきちんとふき取った後で保湿クリームを塗ったほうがよいでしょう。

また寒冷地では、皮膚に水分を残したまま冷たい空気にさらすと、霜焼けの原因になりかねません。指の間まで水分をよくふき取ることと、保温のためにすぐにタオルで覆ったり、手袋や靴下を着用しましょう。ある実験では、手湯の後水分を十分にふき取ってから、26度前後の室温で空気にさらしたままでいたところ、皮膚の温度が温める前よりも低下してしまったという結果が出たくらいです。

温まったらしっかり保温し、「大寒」(1月20日)の季節をホカホカで乗り切りましょう。

※この記事は2010年1月に配信された記事です