「DMMかりゆし水族館」のイメージ。(画像: DMM.comの発表資料より)

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 DMM.comは12日、沖縄県に最新映像技術を駆使した水族館を開業することを発表した。場所は那覇空港から車で約20分、豊見城市豊崎「美らSUNビーチ」に隣接するショッピングセンターの敷地内。20年上半期の開業予定としている。

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 仮称は「DMMかりゆし水族館」。世界初の最新映像技術を駆使したエンタテイメント水族館をコンセプトに、テーマパークのようなワクワク感と水に包まれる癒しの空間が共存する新しい施設になるという。

 季節や時間など常に変化する自然美をダイナミックに表現すると共に、最新のテクノロジーを駆使して、現実と仮想が交差するインタラクティブな空間にもなるとしている。

 DMM.comと言えば、ECサイト「DMM.com」を中心に映像配信からゲーム、証券、英会話に至るまで多角的に事業を展開している。発想したら即実行とばかりに、将来性ある事業には次々と投資していくことが特徴的だ。

 あまりにも多角的なため「テクノロジー企業」という印象は弱いが、動画配信により確保した太い帯域ネットワークを背景に、エンジニアを強化することでIT分野においても存在感を発揮している。社内エンジニア育成に注力してきたことが、今日のDMM.comを創りあげたと言われるほどである。

 16年7月には、「チームラボ」が手掛ける「DMM.プラネッツArt by teamLab」に大型投資。同イベントはフジテレビ「お台場みんなの夢大陸2016」内で展開され、体験型デジタルアートとして大きな話題を呼んだ。

 なかでも「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity」は、裸足で水のなかに入った鑑賞者が、自身の影響によって変容していく鯉を堪能する作品。今回の水族館開業の布石を感じさせる作品だった。DMM.comは従来のスポンサーという役割だけでなく、アイデアを創出するパートナーとしてもイベントにも関わっていたとされている。

 新事業を発想したら即実行のもと、そのチャレンジには終わりがない。16年には、アフリカでの新プロジェクト「DMM.Africa」を始動。5年で100億の投資を宣言するなど、アフリカの窓口になるべく邁進している。その他、今年に入り、仮想通貨マイニング事業参入、中古品換金サービス買収、シェアサイクル検討など新規事業の動きは挙げればキリがない。

 一方で、将来性がない事業にはあっさり見切りをつける底堅いビジネスモデルも忘れてはならない。今後も分野を問わず将来性に投資するDMM.comには注視をしていきたい。