減塩の重要性が叫ばれる時代になっています。確かに塩分の取りすぎはむくみや高血圧だけでなく、食べ過ぎなどの原因にもなります。しかし「塩」そのものは、健康な体を保つのに欠かせないものです。大切なことは健康になれる塩を選び、適量を使うことです。塩を変えるだけで体調が良くなったという人は結構いるのですよ。

塩はスムーズな消化に不可欠な存在

消化のためには酵素や酸がどうしても必要になります。体内の塩素をもとに胃の中で塩酸が作られ、その塩酸によって消化を助けるわけですが、その塩酸の原料が塩なのです。塩が体内になければ消化が出来ないということになります。消化酵素のはたらきを助ける胆汁にも塩が不可欠です。胆汁が不足すると脂肪を吸収することが阻害されて極端に腸内環境がおかしくなりますし、ビタミンB類の吸収も阻害されて貧血の原因にもなります。難しいことはともかく、塩によって消化の一部が行われているということです。

体のpHバランスを保つのにも不可欠

私たちの血液はpH7.35〜7.45の弱アルカリ性に保たれています。この値の範囲を超えると新陳代謝のはたらきが大きく阻害されて細胞が死滅してしまう原因になります。ナトリウムは血液中の二酸化炭素にはたらきかけて酸性に傾かないようにしてくれています。体内pHを適切に保つには塩が不可欠というわけ。

細胞の浸透圧を一定に保つ

塩類は体液の浸透圧を調整するのに不可欠で、腎臓のはたらきによって浸透圧が一定に保たれています。塩が不足してこのはたらきが阻害されると毒素の排出が出来なくなったり、細胞が死滅してしまうことにもなります。

栄養素の吸収と神経伝達にも不可欠な塩

アミノ酸やブドウ糖が血液の中に吸収される時にナトリウムと結合された形で取り込まれます。つまり栄養素を体に取り込む時にナトリウムの助けが不可欠になるわけです。神経が情報を伝達する時には電気信号が発せられることはよく知られています。ところで砂糖の水溶液は電気を通しませんが、塩の水溶液は電気を通しますね。これは塩の成分であるナトリウムイオンのはたらきなのです。塩が体内に無いと神経伝達が不可能になり我々の五感は失われてしまうことにもなります。

では健康になれる塩の選び方とは?

塩は「精製塩」と「天然塩・自然塩」と大きく2つに分けることが出来ます。精製塩とは化学的な精製過程で必須ミネラルのカリウム、カルシウム、マグネシウムなどを取り除いて塩化ナトリウム99.5%以上に純化したものです。一方、天然塩・自然塩は海水を自然乾燥させたり、平釜で煮詰めたりして濃縮するので天然のミネラルが失われずに残っているものです。海水と体のミネラルバランスはとても良く似ています。天然塩・自然塩は免疫力を上げる効果や自然治癒力も上げる効果なども高いと言われています。つまり精製塩を摂るより、天然塩・自然塩を摂る方が体にいいということが分かると思います。天然塩や自然塩は商品によって味や風味が異なりますので、いろいろ試す楽しみもあります。

ただし、塩を選ぶ際に表示には「天然塩」「自然塩」という表記はありません。これは食用塩公正競争規約上、使用できない表記だからです。見分ける簡単な方法としては精製塩には「塩化ナトリウム 99%以上」という表記があり、製法方法の欄には「イオン膜」という表記があるものはほぼ精製塩と考えられます。これからは自分の体のことを考え、良い塩を意識して摂取してみてはいかがでしょうか。


writer:Masami