「Thinkstock」より

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 我が子を保育園に入れるためには「保活(保育園入園活動)」が必要不可欠だ。都市部においては多くの入園希望者が保育園に入れないという「待機児童問題」が深刻で、どの保育園が我が子にふさわしいのかを選ぶための情報がない「情報不足」にも多くの保護者が悩んでいる。今回は、「保活の情報収集術」を解説しよう。

●待機児童問題は、自治体で相談すべき

 まずは、保活を語る上で避けて通れないのが待機児童問題だ。保育園は、共働きであったり、病気などの理由があったりして、子供を預けたいという人が利用できる。女性の社会進出が進み、出産後の女性が積極的に働くようになっていることから、保育園を利用したい人が増加している一方で、保育園の整備が後手に回っているため、待機児童数は年々増えている。待機児童数は全国で2万6000人もいる。以下は待機児童数が多い地方自治体だ。

「待機児童数が多い地方自治体ワースト5(4月時点)」
1位 東京都世田谷区…861人
2位 岡山県岡山市…849人
3位 東京都目黒区…617人
4位 千葉県市川市…576人
5位 東京都大田区…572人
(出所・厚生労働省「保育所等関連状況取りまとめ」)

 では、どうすれば我が子を保育園に預けることができるのか。まずは、自分の自治体の資料を取り寄せ、自治体の窓口に相談し、情報を収集すべきだろう。

 保育園を検討する場合、多くの人は国の基準で運営されている「認可保育園」に申し込む。認可保育園は、施設や職員が比較的そろっており、保育料も安い。そのため人気が高く、都市部だと入園希望者の半分程度しか入れない自治体もある。

 入園基準は自治体がそれぞれ制定している。両親の働き方や家族の状況で点数を付け、点数が高い順に入園できるようになっている。その「ボーダーライン」だが、東京の23区の自治体だと、両親ともに月20日以上、毎日8時間以上のフルタイム労働者でなければ入園は難しいことが多い。特に激戦である1歳児の入園となると、フルタイム労働者であるだけでなく、「保育園に預けたい兄弟がいる」「生活保護世帯」「認可外施設に預けた実績がある」などの要件を満たして点数を積み重ねる必要がある。

 一方で、フリーランスなど自宅で作業ができる保護者はどんなに忙しくても点数が低くなる。また「65歳以下の無職の祖父母がいる」「転職して1カ月以内」だと、点数を差し引かれるという制度もある。

 そこで、自治体に相談に行く際は、近所にある入園を希望する保育園を決め、「自分の勤労状況、家族の構成では、入所できそうかどうか」を聞くのがいいだろう。多くの自治体は、「昨年は、A保育園の1歳児枠は、100点あれば入園できました」などと教えてくれる。翌年の状況は申し込みを締め切ってみなければわからないので参考情報にすぎないが、おおよそのめどはつく。

 もし、認可保育園に入るのが厳しそうであれば、認可外の保育園を早めに検討すべきだ。認可保育園、認定こども園などは各自治体に申し込むが、認可外の保育園は各保育園に直接申し込まないといけない。先着順に申し込みを受け付けている保育園が多く、なかには4月入園の申し込みを前年の9月に締め切っているというケースもあるので、とにかく情報を早期に集めて動き出すことが需要だ。

●保育園の実態は口コミで把握する

 保活において、もうひとつ大変なのが、「検討している保育園の実情についての情報」が不足していることだ。延長保育に対応しているか、どんな保育・教育方法を実践しているかなどはホームページやパンフレットに記されているが、実態はどうなっているのか気になるところだ。安心して預けられるところ、質が高い保育をしてもらえるところに預けたいと考えるのは当然だ。しかし、保育園は大学などと違って小規模で、閉鎖的な業界であることから情報が少ない。

 そのため、多くの保護者は口コミで情報を交換していることが多い。「A保育園は区立なので、行事が平日ばかりで評判が悪い」「B保育園は新設されたばかりで、トラブルが多い」「C保育園は教育に熱心で、鼓笛隊の活動もあって、幼稚園並みの教育を実施している」など、公的な情報だけではわからない情報をやりとりしている。ただし、実際の口コミ情報では得られる内容に限界がある。そこで参考になるのが、保育園に関する評判や情報を掲載しているインターネットサイトだ。

 老舗の口コミサイトでは、ベネッセコーポレーションが運営している「ウィメンズパーク」が有名だ。保育園以外の情報も含めて約4300万件という圧倒的な件数の口コミが掲載されている。ただし、たとえば東京・世田谷区の情報を見てみると、口コミが書かれている保育園は全保育園のうち約半分だ。投稿されている口コミの件数も、1〜2件程度の保育園が大半。登録しなければならい情報数が多い点も面倒だ。

 クチコミの内容は、「この保育園の雰囲気」「この保育園の良いところ、オススメポイント」「この保育園でのすごし方や行事」「この保育園の設備」の4項目。保育園を点数で評価したり、順位づけはしていないので、口コミを読み込んだ上で、どんな保育園か判断する必要がある。偏った情報もあるので、口コミ数が少ない保育園についてはあまり参考にならないかもしれない。

 イトクロが運営する「みんなの幼稚園情報」にも、保育園に関する口コミが掲載されている。全国の幼稚園・保育園の口コミ4万4000件を掲載している。実際に東京都の保育園の口コミを見てみると、905園の口コミが掲載(11月現在)されているが、東京都の認可・認証保育園数は3189園なので、約3割の園に関する口コミしか掲載されていないことになる。こちらも「ウィメンズパーク」同様、口コミ件数が1〜2件という保育園が多い。

 口コミは「総合評価」「方針・理念」「先生」「保育・教育内容」「施設・セキュリティ」「アクセス・立地」の6項目。それぞれの項目を5点満点で評価し、そのエリアにおける順位も掲載しているので、わかりやすい点は評価できる。

 東京限定だが、情報量が多いのは、「保育園まるごとランキング」だ。ネット企業のまくびーインターナショナルが運営している。「サービス力」「安心・快適性」「要望への対応力」「組織運営力」の4項目について、保育園を1000点満点で評価。各項目についての点数、同じ市区町村内での順位が掲載されているのでわかりやすい。東京都の保育園2100園以上をカバーしている。

「保育園まるごとランキング」は、東京都の保育園の多くが受けている「第三者評価」を活用。実際に保育園を利用している保護者らへのアンケートや、生の声を基にランキングを作成している。ただし、個別の保育園に関する具体的な口コミは少ししか掲載されていないのが物足りないところだ。

 保育園の実態を把握するには、最終的には、検討している保育園に電話をして見学を予約し、実際に保育園を見学し、職員の人と話して、保育園の考え方や運営方針を確認することが重要だ。施設をきれいにしているか、安全対策は十分か、子供たちが荒れていないか、などをチェックすべきだろう。

 都内の認可保育園は、11月末から12月にかけて申し込みが締め切られることが多い。保活を成功させるためにも、情報収集で周りを一歩リードしておきたいものだ。
(文=編集部)