やるならナンバー1、DROP DOLL 目指すは国民的ガールズバンド
現役女子高生ロックバンドのDROP DOLL(ドロップドール)が12月13日に、1stシングル「未完成なDreamer」でメジャーデビュー。メンバーは U(ユウ:Ba、Vo)、J(ジェイ:Dr、Vo)、I(アイ:Gt、Vo)のスリーピースバンド。ガールズバンド映画のオーディションに合格し、そこで出会った3人が役にリアリティを求め本格的にバンド活動を開始。楽器を始めて1年足らずとは思えない演奏力とパフォーマンスで魅了する。現在も生活の大半をバンドや楽器練習に費やすほど音楽にハマっているという3人、彼女たちのルーツを探るとともにDROP DOLLが目指す未来とは。【取材=村上順一/撮影=片山拓】
メンバー同士言いたいことは言い合う
――みなさんのお名前なのですが、アルファベット一文字にしたのには理由がある?
U 本名ではないんです。頭文字でもなくて。
I 全員、一画で書けるものにしようということで選びました。一画というものには運が良い、縁起が良いものという意味があるみたいでして。
U 成功するという願掛けも込められています。それで、自分にあったアルファベットを各々選びました。
――ちなみになぜ U というアルファベットを?
U Uの形や響きが、のほほんとしている私にぴったりかなと思ったのと、youの意味もかけて、あなたに音楽を届けたいという想いもあって決めました。
J ほんとUは U っぽいよね。
――ということは J さんは J っぽい?
J はい(笑)。一番ロック感のあるカッコいいJで(笑)。
――では、バンド名のDROP DOLLにはどのような思いが込められているのでしょうか。
J 涙を流しても絶対に諦めない、キラキラ輝く女の子という意味があります。メンバーとスタッフさんとで案を出し合って決めました。
――他にも候補はあったのでしょうか。
U 割と序盤で出てきて、すんなり。
I もうスムーズに決まりました。出てきた瞬間、しっくりきました。
――みなさんは女優業をきっかけにバンドを始めたとのことなのですが、経緯はどういったものだったのでしょうか?
J 女子高生バンドがメインの映画のオーディションを受けたところから始まりました。そのメインキャストに選ばれたのがこの3人で。その中で何となく役を演じるのではなく本物のガールズバンドとして挑みたいという思いがあり、この3人でバンドを始めることになりました。
――役作りの一貫から始まったのですね。楽器歴は1年ぐらいとのことですが、それを感じさせない演奏力ですよね。
J ありがとうございます。毎日練習は欠かさないんですよ。学校が終わった後に4〜5時間ぐらいスタジオに入ってます。
I 最初は全然弾けませんでした。初めて3人で音を合わせた時はぐっちゃぐちゃで(笑)。自分の楽器を弾くことで必死でした。
――おそらく同年代の方たちでバンドを組んでいる人は多いと思うのですが、効率の良い練習方法など上手くなるコツはありますか?
U コツかどうかはわからないんですけど、メンバー同士言いたいことは言い合っています。
I リズムのズレなど、気がついたことはすぐに言うようにしているんです。
――そこから揉めたりしません?
「未完成なDreamer」通常盤
J 今の所はないです(笑)。
――5時間ぐらいバンド練習しているとのことですが、もちろん個人練習もしますよね?
J はい。その日に練習したことを持ち帰って、またお家で夜な夜な練習してます。家だと本物ドラムは鳴らせないので、練習用のパッドを使ってテンポを徐々に上げていって自分の限界まで叩いてます。
U もう本当に私も気が済むまで弾いてます。
――アスリートみたいな練習方法ですね。
I 確かにそうかもしれません(笑)。でも苦ではないんですよ。
J 3人共通しているのは負けず嫌いなところなんです。
I 自分が決めたことは出来るまで諦めたくないという性格なので(笑)。
―― J さんはバンドの中で一番お姉さんですが、お2人のことはどういう風に見えていますか。
J 年下とは思えないしっかりした2人です!
I え〜いつもそんなこと言わないじゃん(笑)。
一同 (笑)。
J 心に秘めている想いがあるんです(笑)。
U 本当に?
―― Uさん、疑い深いですね。
J そうなんですよ。U はいつも疑ってきます(笑)。でも2人とも本当にしっかりしていると思います。15、16歳とは思えないです。
――そういえば U さん、私の情報によると、街を歩いている時にお母さんに間違わられたとか。
U そうなんです。親戚の子と一緒に歩いていたら、通りすがりの人に「お母さんとお出かけいいわね」と言われまして...。けっこう自分でも衝撃的でした(笑)。
I U は一番年下だけど、一番大人っぽいよね。
3人の好きなアーティスト
DROP DOLL
――皆さん憧れのバンドやアーティストはどんな方がいますか。
U 私はSHOW-YAさんです。楽器を始める前からバンドが好きでよく聴いていました。その中でもガールズバンドをよく聴いていて、SHOW-YAさんの「限界LOVERS」に衝撃を受けて、ハマってしまいまして。私の中でガールズバンドといったらSHOW-YAさんなんです。あと、LUNA SEAさんも大好きで、小学生の時に母に連れられて東京ドームのライブを観に行ったのですけど、その時の生で観た衝撃がすごくて、そこからファンになりました。
―― J さんはどのようなアーティストが好きですか。
J 私は最初、友達の影響でアリアナ・グランデさんを聴くようになりました。ドラムを始めてからは、Joey Jordison(ex:Slipknot)の演奏している動画をたまたま観て、こんなドラムが叩ける人がいるのかとびっくりしました。
――では現在、目指しているスタイルはJoey Jordison?
J 目標はそうです。あんな風に叩けるようになれたらなとは思います。あとバンドを始めてから聴くようになったのは、RADWIMPSさんやSCANDALさんです。LUNA SEAさんやX JAPANさんのYOSHIKIさんもカッコよくて大好きです。
―― I さんの好きなアーティストは?
I はい。私はRADWIMPSさんやBABYMETALさんが好きです。BABYMETALさんは私たちも同じ3人で、年齢も近いのに、オーラもすごいし、ステージももちろんすごいんですけど、インタビューでしゃべっている内容もレベルが高くて尊敬、憧れています。皆さんからBABYMETALへの愛を感じるんです。私たちも同じようになれたらいいなと思います。
――布袋寅泰さんとB'zの松本孝弘さん、MIYAVIさんが憧れのプレイヤーなんですね。
I 布袋さんは中学の時に大好きな子がいて、その子から話を聞いて動画で見たらギターがすごくて一気に惹かれました。松本さんはもともとB'zさんが好きだったのでそこからです。楽曲は特に「有頂天」が好きです。
ガールズバンドと言ったらDROP DOLL
DROP DOLL
――DROP DOLLは今何曲ぐらい持ち曲はあるんですか。
I ライブ等で披露したことがあるのは6曲ぐらいです。
――ということは、11月23日におこなわれた結成1周年記念ワンマン『DROP DOLL 1st ANNIVERSARY ! 〜 spread our wings 〜』の時にほぼ全曲聞けたわけですね。あの時は皆さんのメンバー紹介も兼ねたソロコーナーもありましたよね。
I そうなんです。ソロコーナーはあの時が初披露でした! 動画サイトとかで見てたらソロコーナーみたいなのがあって、「私たちもやってみたいね」と話していたんです。
J 1周年ライブで披露したいと思っていたので、けっこう温めていました(笑)。
――その1周年ライブを終えてみていかがですか?
J この1年間はバンドのことをずっと考えていて、すごく早かったし、お客さんと向き合って音楽をやる楽しさをすごく実感した1年でした。これからもDROP DOLLでやっていきたいという気持ちが強くなったライブでした。
I 3人で練習したりしてて、この1年の集大成と言えるようなライブがあの場所で出来て、お客さんも楽しんでくれている姿を見たら、もっともっと私たちの曲を知ってもらいたいと思いました。DROP DOLLのギタリスト I として、やっていて良かったなと思えたので、これからも進み続けていきたいです。
U 先ほど J が言った通り1年間があっという間で、初めてのワンマンということもあって、始まる前から3人ともドキドキしていたんですけど、ライブが終わって1年間頑張ってきて良かったなと思えたし、メジャーデビューというスタートラインに立てたので、ワンマンのタイトルの『spread our wings 』のように羽ばたいていきたいなと思いました。
――『spread our wings 』って良いタイトルですよね。DROP DOLLの目標としてはどのようなバンドになっていきたいのでしょうか。
I そうですね、ガールズバンドと言ったら、たくさんの人がDROP DOLLと言ってもらえるような存在になりたいです!
U やるからにはトップ、ナンバーワンを目指していきたいです!
――いいですね! 他にバンドとしての願望はありますか。
U 私は映画やドラマを見るのが好きなので、映像作品の主題歌とかできたらなと思っています。
J 私も主題歌やってみたいです。たくさんの人に聴いてもらえると思うので。
I 主題歌とかすごく耳に残ると思うんです。映像とともに心に残る曲を発信できたらなと思います。恋愛の作品とかいいですよね。曲から皆さんの恋愛していた時のことを思い出してもらえたら嬉しいです。
―― I さんは恋愛系の映画や小説がお好きなんですよね?
I はい。読んでいるとキュンとしちゃいます。割と妄想型なのかもしれません(笑)。
高校卒業までにトップになりたい
DROP DOLL
――楽曲は作曲家さんに作ってもらっているんですよね?
U はい。自分たちではまだまだ作れないんですけど、作家さんと何回も話し合って自分たちの入れたい思いとか、組み込んで頂いています。
J なので「未完成なDreamer」は等身大の曲になっています。
――皆さんの思いも反映されているわけですね。気に入っている歌詞はありますか?
一同 いっぱいあります!
U J が歌っている<ふと空見上げ キミが叫んだ>というところが私好きです。
J 私は<型にはまるだけだった>というところです。というのも私自身が型にはまっていたということもあります。そこから抜け出して、大きく羽ばたいていきたいと思っているので、自分で歌っていて感情が入ってしまいます。やっと型から抜け出せてきたなと感じています。
U J は初対面の時すごく大人しかったんですけど、ちょっとずつ変わってきました。今もちょっと猫かぶってるんですよ。普段はもう少し...。
J そんなことないよ〜(笑)。
―― I さんのお気に入りの部分は?
I 私は<暗闇のなかだって ヒカリ照らしあう>という部分が好きです。どんなにどん底に落ちたとしても3人でヒカリ照らしあって、切磋琢磨していきたいという気持ちが詰まっているので、お気に入りなんです。
――過去にどん底に落ちたことがあったり?
I まだないです(笑)。これから先落ちたとしても2人がきっと助けてくれると思います!
――作詞や作曲に興味は?
一同 やってみたいです!
I 歌詞は日頃「いいな」と感じたことをメモしていて、3人で共有しています。いつか3人で作って、皆さんに聴いてもらいたいなという想いは強いです。
――ちょっと意地悪な質問なんですけど、今回収録されている曲の中で強いて挙げるならお気に入りの楽曲はどれですか? 今日の気分でいいですよ。
一同 え〜難しい!
――せーので言ってみますか?
J 「未完成なDreamer」
I 「未完成なDreamer」
U 「We Go」
――バラけましたね...。皆さんがこの楽曲を選んだ理由は?
U 私はインタビューなので気合を入れようと思って、今日の気分は「We Go」かなと思いまして...。えっ、みんなは「未完成なDreamer」?
I そうそう。今日の気分としてはバンドに対する気持ちをぶつけたいなと思って「未完成なDreamer」を選びました。
J 曲は違っても想いは一緒なので全然大丈夫です!
――では最後に未来へ向けたメッセージをお願いします。
U 1年前の自分はメジャーデビュー出来るなんて思ってもみなかったし、ここからがスタートラインで勝負でもあるので、もっと私たちの音楽を多くの方に届けられるように、自分たちと向き合って羽ばたきたいです。
J DROP DOLLの一人として、責任などメジャーデビューが決まって改めて感じました。U も言っていたけど、スタートラインに立つひとつの大きな目標が叶って、これからもっと大きくなっていきたいので、3人で切磋琢磨して良い音楽を皆さんに届けられるように頑張りたいと思います。
I やっぱりやるなら中途半端にしたくはなくて、頂点目指したいです。トップになれるようにDROP DOLLに全身全霊を込めてやっていきます。
――素晴らしいですね! ちなみにトップを取るまでは何年計画ですか。
I J が高校を卒業するまでに頑張りたいです。あと1年ちょっとしかないので一瞬一瞬を無駄にしないで、自分に厳しくやっていきます!
――ハイスピードですね。
J やっぱり目標は高い方がいいですから!
(おわり)
DROP DOLL「未完成なDreamer」
12月13日発売
初回盤【CDMS+DVD】(TKCA-74614、1667円+税)
<CDMS>
M1. 未完成なDreamer
M2. We Go
M3. JUST MY WAY
<DVD> JK★ROCK (Short Story Music Video)
★通常盤【CDMS】(TKCA-74615、\1204円+税)
<CDMS> 初回盤CDMSと同一内容