2試合にフル出場した李栄直は、日韓の違いを肌で感じた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 12月8日から日本で開催されているE-1選手権で、日本は2連勝を挙げ、出場4か国中、首位を走っている。

 16日に行なわれる最終戦の相手は、1勝1分で2位の韓国だ。この試合、日本は引き分け以上で優勝。韓国は日本に勝てば大会2連覇が決まる。日韓戦は、事実上の決勝戦と言える試合なのである。
 
 それだけに勝負の行方が気になるが、今大会における日本と韓国の実力を一番よく知っているのは、北朝鮮代表ではないだろうか。同国代表は、9日の初戦で日本と対戦し、0-1で敗戦。3日後の12日には韓国に同じく0-1で敗れている。日韓両国のサッカーを直接体感したわけだ。
 
 北朝鮮代表MFの李栄直(カマタマーレ讃岐)は韓国戦後、ミックスゾーンでこう語った。
 
「(韓国のサッカーは)日本と似ていると思いました。でも、パス回しをされていた時は、日本より恐いとは感じませんでした」
 
 実際、北朝鮮戦で韓国は、日本が得意とするパスをつないでゴールに迫るサッカーを展開していた。それゆえ両国のサッカーが似ていると李栄直が感じても不思議ではない。振り返れば、李栄直は日本戦後に「日本代表は、プレーが噛み合っていない部分もあった気がします」とも話していた。つまり、ハリルジャパンのコンビネーションには隙があるとはいえ、韓国のパスワークは日本ほどに脅威ではなかったということだろう。
 
 ただ、李栄直は、「フィジカルは韓国のほうが強かった」とも話す。それは、韓国戦に77分から途中出場したFW安柄俊(ロアッソ熊本)が感じていたことでもあった。
 
「韓国の印象は、後ろから丁寧にビルドアップしてくるなという感じでしたが、要所での身体能力の高さを感じました。僕たちのラインが低くなりすぎていたのもあるけれど、日本戦よりも押し込まれる展開だったと思います」(安柄俊)
 
 韓国のフィジカルの強さは今に始まったことではない。シン・テヨン監督も以前、「身を削って相手を手荒く押し退けるサッカーをしたい」と明かしていた。韓国選手たちの当たり負けしない強さは、11月のAマッチ(コロンビア、セルビアと対戦)でも目立っていた。
 また、李栄直は韓国代表の戦術にも言及した。
 
「日本戦で僕たちが展開したようなカウンターを、ガチガチに警戒していたのは感じました。しっかり研究してきたなと思いましたね。僕たちは日本戦でそういう戦い方しかできなかったし、それが成功していたので、逆に研究しやすかったのかもしれません」
 
 北朝鮮への対応に限って言えば、日本よりも韓国のほうが成功したということだろう。事実、韓国は北朝鮮戦で、初戦の中国戦で使った4-2-3-1から3-4-3にフォーメーションを変えていた。この点については、シン・テヨン監督も、「北朝鮮戦では戦術に変化を与えた。3バックには北朝鮮も手こずったと思う」と語っている。
 
 もともとシン・テヨン監督は、頻繁に戦術を変更することで知られており、その戦法は長所でもあり短所でもあると言われているが、今回の北朝鮮戦では功を奏したようだ。
 
 それだけに、気になるのは日韓戦に臨むシン・テヨン監督の戦略だろう。ハリルジャパンの北朝鮮戦、中国戦を踏まえて、シン・テヨン監督はどんな日本対策を練ってくるか注目したい。
 
取材・文●李仁守(ピッチコミュニケーションズ)