伊藤 達夫 / THOUGHT&INSIGHT株式会社

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シナリオプランニングは未来の予測手法ではなく、未来の不確実性への対処のための手法である。SCPパラダイムで考えると業界構造に対して企業のポジショニングが存在し、そのポジショニングの取り方によって利潤が決まってくる。当然、その過程において、戦略変数/競争要因、競争優位の源泉/強みに影響を及ぼし、利潤に対して影響を与える。従って、業界構造の未来に不確実性があるならば、業界構造の主要な変化のオプションに対して対処の考え方を持つ必要が出てくる。そのための手法がシナリオプランニングである。

久しぶりです。みなさん、私のことなんてもうお忘れでしょうね。伊藤です。プロジェクトがぎちぎちで書けません。ごめんなさい。半年ぶりぐらいに書いています。

そして、視察で今はとある東南アジアの都市に来ています。久しぶりに精神的な余裕ができました。毎週毎週、画期的なことばかり言っていると疲れますんでね・・・。

しかし、この街はすごいですね。サウジのように真っ黒なブルカをした女性が買い物袋をエレベータに無造作に置きますし、みなさんふくよかですし・・・。食事は美味しくありません・・・。ヒルトンに泊まってますが、マジで美味しくない・・・。ごめんなさい。愚痴ですね。

今日の写真の女の子はみきさんです。以下、ぱくたそより紹介文です。

看護学生をしながらゆるゆ〜るとサロンモデルをしています。三度の飯より睡眠•ゲーム•音楽・マンガが好きです。でも、フットワークは軽いです。よろしくお願いします( ´ ▽ ` )

・・・だそうです。やる気はあまりなさそうですが、これぐらい美人で看護士さんになれば余裕で食っていけますね。看護士さんの給料はその辺のサラリーマンの比ではありません。羨ましい。仕事以外は睡眠、ゲーム、音楽、マンガ三昧の暮らしができそうです。サラリーマンのようにライフプラン、人生シナリオを立てる必要はあんまりないですね。

ということで、今日はシナリオのお話です。シナリオプランニングです。人生ではなく、企業の未来のお話です。大企業では割と見ますが、中堅企業だとあまりシナリオプランニングをやっているのを見ませんね。しかし、私は中堅企業でも有用だと思います。

やり方自体は確立している面がありますし、センスが要りますが仮説優位でやればそれほど調査コストもかからないので、経営システムの中に組み込んでいってみてはいかがでしょう?ということで考え方をざっくり書いてみます。

分からなければ、私にご依頼をば・・・。といってもプロジェクトはできて1年後ですけどね・・・。来年の年末までだいたい埋まってます。できて単発の研修でしょうね・・・。ごめんなさい。

さて、シナリオプランニングの起源は?という話から行きましょう。

シナリオプランニングは第二次大戦中の米軍で開発されました。ただ、そこから現在のシナリオプランニングになるのにいろいろと変遷を経ています。

当初のシナリオプランニングはこうなるだろうという単純な未来の予測です。その後は未来が確率的にどうなって変化していくかの分岐を考えるものへと変化していきました。

しかし、現状で戦略の領域で言うシナリオプランニングは、そういったものではありません。

ポーターは細かいので、ポーターの言うやり方に沿うと10個程度のシナリオを作らざるを得ませんが、2つのクリティカルな軸を抽出してマトリクスにして4個のシナリオで済ますこともあります。それで充分なんですね。なぜ充分なのか?を理解することが、シナリオプランニングの有用性を理解することになります。

結論を先に言うと、予測をするというのがシナリオプランニングの価値ではありません。予測をするためにやるのではなく、不確実性に経営陣が対処できるようになるためにシナリオプランニングをやるのです。「未来を予測したいんじゃない、不確実性に対処することに意味があるんだ!」がシナリオプランニングを使っている経営陣の本音なのです。

では、ポーターのシナリオプランニングの考え方について見ていきましょう。

まず、ポーターはマクロ経済動向についての予測を目的にするのはやめるべきと言います。では、何をすべきかと言えば、業界構造の変化についてのシナリオ「業界シナリオ」を作るべきだ、と言います。

ポーターの業界シナリオの定義は「業界の未来構造についての内部的に整合性のある見解のこと」です。業界の未来構造というは、業界の収益性がどのように変わるか?業界のファイブフォースの中でクリティカルな要素がどう変化するか?ということです。

構造が変われば戦略変数/競争要因が変わり、ポジションの取り方が変わりますからね。

それはつまり、業界構造の変化についての仮説が自社のポジションの取り方にどう影響を与えるのかについて因果関係を明示し、自社の対応についての仮説を持つということです。

また、ポーターは「業界シナリオは予測ではなく、未来構造のあるべき姿の1つである」とも言っています。

「予測ではない」のです。しつこいですが、これがシナリオプランニングを理解する重要な要素です。つまり、未来構造のオプション、つまり未来構造の可能性の振れ幅を認識することに意味があるのです。

そしてSCPパラダイム的には、マクロ環境の変化は、あくまで業界構造の変化を通じて自社の戦略変数/競争要因及び、競争優位の源泉/強みに影響を与えるわけです。そういう考え方で、内部と外部の関係を整合的に見ていくのが、一般的な戦略概念ですからね。

そうするとね、ちゃんと業界構造の分析に基づいて自社のポジショニング/提供する価値/価値の生産プロセス/ケイパビリティが捉えられていないと戦略とは言えないんですよね。

なぜ、中堅どころの企業でシナリオプランニングが普及していないかと言えば、まともな戦略がある企業がほとんどないからですね。まともな戦略がないとシナリオプランニングの効果は半減してしまうからです・・・。

日本企業は戦略にカネを払いません。このまま行くと、戦略に湯水のようにカネを使う中国企業や米国企業にやられていくでしょうね・・・。残念です・・・。

業界構造の変化の振れ幅を把握することで、自社のポジショニング、自社の提供価値、価値の生産プロセス、ケイパビリティの変化の振れ幅を把握できて、何が起こったら何をしないといけないということがわかるようになる。これがシナリオプランニングを行う意味です。

このままの環境で行けば、自社の打ち手はこうなるというのが、既に立案した戦略に基づいてあるわけです。しかし、環境が変化した場合に、業界構造が変化し始めた場合に、どのような打ち手の変更可能性があるのか?その振れ幅はどれぐらいか?それをみんなで分かっておくことは、いざ激変が起き始めた時に慌てないために非常に重要です。

考え方はこれぐらいにしてざっくりとやり方を書いてみます。

考え方が分かればやり方も自ずから分かるだろうと思うのですが、なかなか分からないみたいです。やり方書かないとここまで読んだ人に怒られますからね・・・。

業界シナリオは7つのステップで作ります。

ゞ罰構造に影響を与える不確実性を識別する

不確実性の原因因子を確定する

重要なシナリオ変数について一定範囲の妥当な仮説を作る

じ帖垢離轡淵螢変数に関する仮説を合併して内部的に整合性のあるいくつかのシナリオを作る

コ謄轡淵螢が描く業界構造を分析する

Τ謄轡淵螢について競争優位の源泉を確定する

С謄轡淵螢について競争業者の行動を予測する

の7つです。そろそろ疲れてきましたが、ここで書くのをやめると怒られそうですね。頑張ってもう少しだけ見ていきましょう。

ゞ罰構造に影響を与える不確実性を識別する、からちょっとだけ見ていきます。

不確実性に対処するのがシナリオプランニングですから、確実な未来について何かを言ってもあんまり意味がないんですよね。こうなるだろうなあ、という話は当たり前の話として、それが自社に意味することは考えてある前提です。

その上で、どうなるか分からない要素で業界構造に影響を与える要素について、まずは特定します。

この記事を書いていて、業界のプロフィット生成メカニズム書いただけで有難がってくれるクライアントが多い中で、ここまで行ける会社ってあんまりないよなあ、と思い始めました・・・。この記事、ハイレベル過ぎて無駄でしょうかね?無駄だと悲しいです・・・。

さて、気を取り直して書きましょう。要素の特定が終わったら、不確実性の原因因子を確定する、です。その要素の原因となる変数は何だろう?と考えていくわけです。

そうすると、それぞれの変数に対してもれなく原因と結果を書き出すことができます。まあ、できるとしましょうよ。

それなりの数が出てくると大変なので、重要なシナリオ変数について一定範囲の妥当な仮説を作る、ということになります。この段階で、検討の効率性も踏まえて重要じゃないやつは捨てて仮説を作っていく。それっぽい未来の文章を書いてみましょう。

この時に、それっぽい文章の逆のことをそれぞれについて書いてみるといいですね。「規制緩和によって新興企業の参入が激しくなる」という仮説だったら、「規制緩和が起こらず競合プレーヤーの顔ぶれは変わらない」とかね。

その上で、じ帖垢離轡淵螢変数に関する仮説を合併して内部的に整合性のあるいくつかのシナリオを作る、わけです。

作業としてはPPTを使うなら、テキストボックスに仮説を書いて並べてみて、どの文章からどの文章に矢印がひけるか?を考えてみて仮説を合併して、洗練された文章にしていきます。

その上で、コ謄轡淵螢が描く業界構造を分析する、という作業に入ります。それぞれのシナリオごとに業界構造の変化を見たくてやっているわけですよね。業界構造が変わるということは、企業の競争優位の源泉が変わってしまって、打ち手を変える必要が出てくるわけです。

外部環境が変わると「強み」が変わるといった理解でもいいでしょう。ケイパビリティは変わらないですし、ビジネスプロセスは変わりませんが、どのプロセスが収益に対してクリティカルか?は変わりえますよね。

自社の内部のクリティカルなケイパビリティに影響を与える業界構造の変化を考える。そのオプションを明らかにするわけです。

その外部環境の変化オプションごとに、Τ謄轡淵螢について競争優位の源泉を確定する、という作業が出てきます。

当然ですよね。外部が変わって自社の競争優位の源泉が変わってしまう。もともとの環境ではこのプロセスが競争優位の源泉だったのに、違う環境では全く違ったプロセスが競争優位の源泉になったりする。この外部環境の変化に伴い、自社で重要だと考えるべきプロセスが変わるダイナミズムがイメージできますでしょうか?ここが分かっていればシナリオプランニングの重要性も分かるわけです。

そして最後に、С謄轡淵螢について競争業者の行動を予測する、です。業界構造の変化前の競争優位の源泉と、変化後の競争優位の源泉は各社で違うわけで、競争優位の源泉が違えば企業のアクションが違うはずです。

SWOT的に言えば、「機会に強みを掛け合わせてアクションを決めよう!」とおっしゃる方々がたくさんいますよね。じゃあ、強みが変わったアクションも変わるはずですよね・・・。

そうすると、ざっくりですが競合に対しても分析しないといかんわけです。まあ、自社でやるにはよっぽどの経営企画リソースがないと無理でしょうけどやる意味はあるでしょうね。役員が合宿してやるレベルです。しんどいでしょうけどね・・・。まあ、そういう時にコンサルタントがファシリテーターというかモデレーターみたいな形でいると便利ですよね、と。

私は面倒なので自分で作って社長にだけ見せるスタイルの方が好きですけどね。カネは貰いますが、戦略を自社で考えられるレベルのスタッフをそろえるのは至難の業ですからね・・・。

以上が実施のプロセスになります。

今、読み返してみたら今回は長いですね・・・。長すぎる。

そしてやろうとすると難しい。やってみて無理そうだったら外注した方がいいと思います。私に限らず、まともなコンサルタントであればできるもんだとは思うので。

それでは今日はこのあたりで。次回をお楽しみに。