ロシアのアンナ・シドロワ選手

写真拡大

“氷上のシャラポワ”と呼ばれ、その美貌に注目が集まっているロシア・カーリング女子チームのスキップ(司令塔のような役割)であるアンナ・シドロワ(26)。その実力も折り紙付きだが、今回はロシアのドーピング問題に巻き込まれる形となった。彼女は平昌五輪出場を果たせるのか──。カーリング取材を続けるスポーツライターの竹田聡一郎氏がリポートする。

 * * *
 ドーピング問題で揺れるロシア。国際オリンピック委員会(IOC)に平昌冬季五輪への代表選手団の派遣を禁止された。一時は平昌五輪ボイコットの可能性も報じられたが、プーチン大統領は「ボイコットを宣言することはない。個人資格で出場したいのであれば、選手の五輪出場を阻むことはしない。最終的な判断は五輪チームによって下されるべきだ」と明言し、ロシア・オリンピック委員会(ROC)は個人参加を支援することを決定。潔白が証明された選手のみ、「ロシア出身による五輪選手(チーム)」「ロシア国籍の五輪選手(同)」との名称で平昌五輪への個人参加ができる見通しだ。

「美しすぎるカーリング娘」と呼ばれるアンナ・シドロワもその一人だ。

 彼女は世界トップカーラーでありながらモデルも務めるなど、“氷上のシャラポワ”として日本にも多くのファンを持つが、決して人気先行の女子アスリートではない。五輪にはロシア代表としてバンクーバー、ソチに連続出場。世界選手権では2014年から3年連続で銅メダル、2017年大会では銀メダルに輝いた世界屈指のスキップだ。

 チーム・シドロワはワールドカーリングツアーの軽井沢国際(12月14日開幕)に出場するために来日中。大会前日の会見では、五輪に向けた彼女の発言に注目が集まったが、本人は「Of course, I’d like to be there(もちろん行きたい)」と即答。続けて、「ここまでオリンピックを目指して頑張ってきたので絶対に諦めたくない。これからもメダルを目指して努力していきたいと思います」と語るなど、あくまで五輪出場、そしてメダル獲得という目標を強調した。

 本人のインスタグラムにも、自身が歩む姿が「A step toward..」というメッセージとともにアップされている。

 チームはこの軽井沢国際に出場したのち、12月27日からロシア国内で行われる最大7戦のオリンピック代表トライアルに挑む。ここで勝利すれば、“ロシア出身の五輪選手”となり、平昌行きが決定する。

 軽井沢国際には日本代表のロコ・ソラーレ北見のほか、スウェーデン、イギリス(スコットランド)、スイス、韓国の五輪に内定している各代表チームが参加する。そのほとんどが2017年最後の大会となるため、「大会を終えたらクリスマスはゆっくり休みたい」「(軽井沢で)ショッピングなど滞在も楽しみたい」とリラックスムードだが、シドロワは本気モードだ。

「トライアル前なのですごく真剣な気持ちで(軽井沢国際に)臨んでいる。ここでいい結果を出してトライアルに向かいたい」

 美しき氷上の戦いにファンの注目が集まっている。

取材・文●竹田聡一郎(たけだ・そういちろう):1979年神奈川県出身。2004年にフリーランスのライターとなりサッカーを中心にスポーツ全般の取材と執筆を重ね、著書には『BBB ビーサン!! 15万円ぽっちワールドフットボール観戦旅』『日々是蹴球』がある。カーリングは2010年バンクーバー五輪に挑む「チーム青森」をきっかけに、歴代の日本代表チームを国内外問わずに追っている。