音楽ストリーミングサービスのSpotifyなどのIT企業が、「AppleがApp Storeでアプリ提供者から収益の30%を取得する行為は、公平な競争を妨害している」と欧州委員会に訴えました。Spotifyは2016年にも同様の訴えを行いAppleと協議していますが、Appleが提供する音楽配信サービスのApple Musicとの競争激化にともない再び同様の主張を出したようです。

Spotify, others complain to EU about Apple's 'unfair' App Store practices

http://appleinsider.com/articles/17/12/13/spotify-others-complain-to-eu-about-apples-unfair-app-store-practices

Spotify again attacks Apple for its gatekeeper-like policies | 9to5Mac

https://9to5mac.com/2017/12/13/spotify-apple-gatekeeper/

Financial Timesが報じるところによると、Spotify、Deezer、FoundemなどのIT企業が欧州委員会に対して、「AppleがApp Storeでアプリを提供する支配的な地位を悪用することが、公正な競争を阻害している」とする訴えを行い、EUの規制当局に新たな政策を導入するよう要求したとのこと。AppleはApp Storeでアプリを提供する者に対して、一律にアプリ収益の30%の支払いを義務づけており、これはアプリ販売だけでなくアプリ内サービスの課金に対しても適応されます。この「ショバ代」が高すぎるというのがSpotifyたちの言い分です。



SpotifyはApp Storeのルールを巡ってAppleと2016年に一悶着を起こしています。Appleへの30%のサービス利用料はサブスクリプション契約にも適用されるため、月額利用料収入の30%をAppleに納めなければなりません。このため、Appleに納める使用料がある以上、ライバルのApple Musicと同額での競争力あるサービス提供は不可能で、不公正だというわけです。そこでSpotifyは、App Storeのルールが適用されないApp Store以外のウェブサイトからサブスクリプション登録した場合には3カ月間、割引価格を提供するという施策を打ち出しましたが、AppleはApp StoreからのSpotifyアプリ締め出しを警告しアプリ内での課金システムを変更するアップデートを拒否するなどの対抗措置に出ました。



結局、Spotifyで1年以上のサブスクリプション契約をするユーザーについては月額料に対するAppleの取り分は30%から15%に減額するということで落ち着きましたが、Spotifyは依然として15%の利用料が徴収されるのでは、Apple Musicと公正な競争はできないと考えて、EUにAppleのアプリ運営に対する規制を求めることになったようです。

Appleに対する苦情を訴える声明では、「Appleはデジタル経済のゲートウェイではなくゲートキーパー(番人)として振る舞っている」と訴えていますが、記事作成時点ではAppleからは何の反応もありません。かねてからアメリカのIT企業による市場支配を制限する方向だとされるEUですが、Spotifyなどからの「公正な競争における障害除去」の訴えに対して、どのような施策がとられるのか注目されそうです。