荷室の長さを最大限に確保するため

 トヨタもFR車を縮小していく方針なので、後輪駆動車は将来的にもっと少数派になっていくことでしょう。なぜ前輪駆動車になってきたのかは、いろいろなところで検証可能だと思いますが、現状、後輪駆動車のメリットは極めて少ないし、また回生しようと思えば効率は最悪です。しかし軽トラックは後輪駆動しか存在していませんね。そこには明確な理由があるんです。

 軽自動車はボディサイズが規定されます。全長3.4m以下、全幅1.48m以下、高さ2m以下というのが、現在の規定です。軽トラを設計する場合、その限られたサイズの中で、最大の荷室スペースを確保したいわけですね。荷室スペース以外で、絶対に必要なのは運転席のスペースで、これは削減できません。

 しかし、その中にエンジンを組み込めば、エンジンルームのスペースは削減できるわけです。具体的にいえば、エンジンの上に運転席を設けるキャブオーバーというスタイルですね。そうすることで、荷室の長さを最大限にすることができるわけです。

 キャブオーバーであっても、エンジンを横置きして前輪駆動とするのは、不可能ではありませんが、空荷状態での安定性や小回り性などの面でデメリットが出てきます。

 クルマ全体が軽いので、駆動系がリヤに回ることで全体のバランスも良くなるわけです。ポルシェ911カレラ4とは逆方向ですが、同じパターンですね。ただプロペラシャフトが長くなるとアクセルペダルを踏み込んだ時に回転方向へのピッチングが出るという「特徴」も出てきます。おそらくEV化するとしても、前輪駆動にはならないような気がします。