画像提供:マイナビニュース

写真拡大

米Appleは12月13日 (現地時間)、同社の投資プロジェクト「Advanced Manufacturing Fund」を通じて、光学コミュニケーション部品を開発・製造する米Finisarに3億9000万ドルを投資する計画を発表した。Appleは、FinisarのVCSEL (Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)を「iPhone X」のTrueDepthカメラやAirPodsの近接認識機能に採用している。

Advanced Manufacturing Fundは、米国の先端的な製造技術の成長をサポートし、米国の製造業で新たな雇用を創出するためにAppleが設立した。今年5月に、最初の投資先としてガラス製品大手の米Corningへの2億ドルの投資を発表。Corningは、ケンタッキー州ハロッズバーグの製造施設で、研究・開発、設備投資、最先端のガラス処理の強化に資金を活用している。

Appleが人々のライフスタイルや社会を変えるような製品を開発していくのに必要な技術分野に投資し、米国の雇用創出にもつなげるのがAdvanced Manufacturing Fundの狙いである。同社は今年後半に発売した「iPhone X」の前面にTrueDepthカメラを搭載し、従来にないスピードと高い精度で顔認識を実現した (Face ID)。TrueDepthカメラが顔の深度マップを作成するのに用いられている技術の1つがVCSEL (垂直共振器面発光レーザー)だ。従来の端面発光型レーザーに比べて、VCSELはよりコンパクトで低コストなソリューションになる。深度認識はAppleが注力するAR (拡張現実)にも欠かせないため、これからのApple製品においてVCSELが果たす役割は非常に大きい。しかしながら、今年の夏にiPhone Xの製造トラブルが報じられた際に、VCSEL部品の製造がボトルネックになっていると指摘された。Appleによると、同社は2017年第4四半期に、前年同期に世界規模で生産された量の10倍ものVCSELウエハを購入する予定だ。

そうしたVCSELウエハの需要増に対応するために、Finisarはテキサス州シャーマンで長く閉鎖状態だった700,000平方フィートの製造工場を最先端のVCSEL部品製造施設として再稼働させる。2018年後半の製品出荷を目指しており、同製造施設では約500人の雇用を創出、先端的な製造技術者の育成にもつなげる。AppleがFinisarから購入するVCSEL部品は全てが米国製造施設で製造されたものになる予定だ。