厚生労働省は12月11日、副業を原則容認する「モデル就業規則」改定案を有識者検討会に示した。これについて、ネットでは本業の賃金が抑制されるのではないかと懸念の声が上がっている。

「読売新聞」によると、多くの企業が「就業規則」を作成するうえで参考にする同省の「モデル就業規則」から、副業・兼業の禁止項目を削除する方針を検討会に示したとのこと。副業・兼業をする際には、事前に申請した上で、「労務提供の支障」「企業秘密の漏えい」などの項目をクリアすれば、可能にする内容に改定するという。職場外で働くテレワークについても、労働時間を適切に管理することなどが盛り込まれる予定だ。

副業容認をめぐっては、政府は昨年12月に「働き方改革」の一環として、正社員による副業・兼業の後押しを目的に、原則容認する方針に転換すると表明。「モデル就業規則」の副業・兼業禁止規定を年度内にもなくし改定する意向を示していた。

2016年3月に定められた現行の「モデル就業規則」では、「第3章 服務規律」の「(遵守事項)11条」に「6.許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と副業・兼業を禁止することが記載されている。

副業・兼業の解禁が現実味を帯びてきたことについて、Twitterでは、

“週40時間との兼ね合いは?”
“厚労省様がこれをして民間企業が追随するとでも?”
“事業所ごとの残業は無いとしても、一人の人間としての過労死ラインを超える危険性はありえると思うが、安易に容認していいの?”

と疑問や疑念が噴出。さらに、

“「今の給料はUPできないので副業・兼業で補ってもいいよ案」に見えて仕方がない。”
“副業推進は先々の給与削減とワンセット?副業しないと給与が減るだけになっちゃうかも。”
“何が柔軟な働き方だよ!企業にとって、使い勝手のよい働かせ方でしょう。8時間働いたら、文化的な生活ができる賃金を求める。”

と企業の賃金抑制や賃上げの鈍化につながるのではいかといった懸念の声も見受けられる。

副業解禁となれば、確かに労働者としては増収やスキルアップが見込めるメリットがある。しかし、「モデル就業規則」の改定が企業側に悪用される可能性を指摘する声があるのも事実。そうなれば、副業ができないほど激務なブラック企業で働く会社員は、ますます悲惨なことになりそうだ。
(山中一生)

■関連リンク
柔軟な働き方へ副業・兼業容認、厚労省が改定案
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20171211-OYT1T50064.html
モデル就業規則
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000118951.pdf
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/