専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第134回

 え〜、ここで謎かけをひとつ。

「ゴルフのラウンド中でのこと」とかけまして、「映画鑑賞」と解く。

 そのこころは?

「前と後ろが気になります」

 うまい! 座布団あげて〜。自画自賛してどうするねん。

 私は、劇場で映画を見る時の、座席の位置が気になってしょうがないんです。自分の前の席に大きな人が座ると頭が邪魔で、特に字幕が頭に被ったりすると、イライラしてしまいます。一方で、後ろの席の人がふんぞり返って座っていると、自分の席を蹴ってきたりするから気が散って仕方がありません。だから、自分の前と後ろの席にはどんな人が座るのか、大いに気になってしまうのです。

 そこで最近は、前の席の人の頭が気にならないほど、座席の段差がある劇場に行くようにしています。そのうえで、後ろの人から座席を蹴られたりしないため、後方が通路の座席を確保するようにしています……って、本題はこれじゃありませんよ。


映画館の座席と同様、ゴルフでは前と後ろが気になるんですよね...

 ラウンドの際、前の組と後ろの組、両方気になるけど、どっちが気になりますか? という話です。これもまた、結構ナーバスな問題ですよね。

 前の組の場合は、あまりにプレーが遅い組だと、見ていてイライラします。

 まず、ボール探しですね。ルールでは5分間以内となっていますが、その5分という時間をきっちり使ってボールを探している組がありますから。と言いながら、こっちも時計を見てしっかり時間を計っている……って、なんだんねん。

 とにかく、結果的にプレーが遅くなってしまうのはいいんですよ。そういうときは、「遅れてすみません」という意思表示として、ホールアウトしたら小走りで移動してカートに乗ってくれれば、こちら側も「あいつら、(プレーが)遅くなって焦っているな」と理解し、納得するわけですから。

 それが、プレーが遅いうえ、動きがのろのろしていて、移動まで遅いとなれば、こちら側のイライラは募るばかりです。

 まあでも、最近のゴルフ場は”詰め込みすぎ”なんて言われていて、お客さんがよく入っているコースは満杯状態が多いです。だから、前の組が遅くても「どうせ、さらに前もつかえているからイライラしてもしょうがないな」とは思うんですよね。

 ところが、たまたま見晴らしのいいロングホールにきてみると、「あれまあ、遅いのは前の組だけで、はるか彼方までガラガラやんけ」なんてことになると、再びイライラが復活。もはや、爆発寸前となります。

 ただ、それで頭にきたからって、ボールを打ち込むのは大人げないですよ。ボールの打ち込みのルールとしては、グリーン上で前の組がピンフラッグを立てたら、基本的には打っていいことになっていますけど。

 でもそこは冷静に、カートの位置や、前の組の動作を見て、数秒間待ってから打つのがよろしいかと。下手にケガなんてさせたら、大変ですからね。

 さる名門コースでは、前の組に対して、50ヤード手前まで打ってはいけない、というクラブ内におけるローカルルールがあります。もしそれを守らないと、メンバーさんからすぐに抗議がくるそうです。

 ボールは、ちょっと離れたところに落ちても、ドスンと音がします。すると、スイングが乱れたり、パットに集中できなかったりしますでしょ。だから、名門コースでは相当距離に余裕を持ってプレーなさるのがよろしいかと思います。

 一方、後ろの組についてですが、こちらのほうが前の組よりも気になる方が多いようです。 

 後ろの組というのは、早くプレーが終わったからといって、前の組となるこちら側のカートの直後につけていい、というわけではありません。これを理解していないアマチュアゴルファーが本当に多いんです。

 ゴルフは、1組のパーティーが独立しており、他からは隔絶された環境でプレーしているのです。親睦コンペなどを除けば、本来は他の組との接触はありません。

 ですから、現在我々がティーグラウンド、例えばレギュラーティーからプレーを始めているとしましょう。その場合、後続組はバックティーや、あるいはそのコースの入り口辺りにカートを停めて、こちらと目が合わないように、音も立てずにじっとしているのがマナーです。

 でも、半分ぐらいのビジター客は、そういうことを知らないで、平気でカートを近くに寄せてきます。そして、じぃ〜と我々のプレーを見ている。

 そりゃ、こっちは叩きますがな。別に後続の組とニギッているわけでもないのに、プレッシャーかけてどうするねん。

 もちろん、後続組は好き好んでプレッシャーをかけているのではなく、単にマナーを知らないだけなんですよね。でも、悪意はないにしても、知らない人にプレーを見られるって、嫌じゃないですか。しかも、「あなたのカート、近づきすぎだから戻ってください」とは言いづらいですし……。

 ともあれ、こうした後続組からのプレッシャーを嫌う人は、コンペになると面白い行動を取ります。なんと、一緒に回る自分の組よりも先に、後続のパーティーの方々へ挨拶にいって、ずっと談笑していたりするのです。

 その方に「なんで?」と聞いたら、「後ろの人がどんな人かわかっていると、安心じゃん。顔見知りになれば、プレッシャーを感じないでしょ」と言うのです。

 いやぁ〜、そこまで気を回してラウンドするなんて、びっくりですね。確かに、最近は近隣住民とのトラブルが多発していますから、近隣プレーヤーとのトラブルは避けたいところではありますけど……。

 結局のところ、妙なプレッシャーをかけてくるのは、後ろの組のほうが多いです。以前、グアムに行って、のんびりゴルフをしようとティーグラウンドに立ったら、後ろからガラの悪い日本人の”ヤカラ系”がやってきて、打つ前からプレッシャーをかけてくるのです。

 そんなですから、先を譲ろうかとも思ったんですが、余りに態度が悪いのでやめました。結果、その日は18ホールずっと煽(あお)られっぱなしで、ぜんぜんつまらなかったです。プレーのことよりも、「遅れちゃいかん」ということだけを考えてのラウンドでしたからね。

 もし今なら、速攻で先を譲って、ゆったり、のんびりゴルフを堪能します。20年前は、自分も若かったな、ということですね。

 若いと言えば、もしミニスカート姿の若い女性が前後のどちらかの組にいたら、それも大いに気になります。で、その場合、女性がいてほしい組は前か後ろか、あなたならどちらを選びますか?……って、畑中葉子の楽曲『後ろから前から』じゃないですよ。

 結論としては、やはり「前がいいなぁ」という声が多いですね。後ろの組に若い女性がいると、後続を待って見てしまうから、プレーが遅くなりがちです。その点、前だと普段よりも早くプレーして、カートもガッツリ寄せていきます。それで、かぶりつきで見まくる……って、そりゃセクハラでしょ。

 まあそこは、常識の範囲内でプレーする、ということでお願いします。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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