携帯電話出荷、10月は1年半ぶりに100万台割れ 冬春モデル前のスマホが減少

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 2017年10月の国内における携帯電話出荷台数が発表され、モデル切り替え前の需要の落ち込みにより、出荷台数が昨年5月以来の100万台割れとなったことが分かった。

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■モデル切り替え前の落ち込みが大きく

 13日、電子技術産業協会と情報通信ネットワーク産業協会が、「2017年10月携帯電話国内出荷実績」を発表した。10月の出荷台数は、携帯電話全体が97万7,000台(前年同月比-36.1%)、そのうちスマートフォンが52万6,000台(同-51.6%)だった。

 前年との比較で大きく減少したのは、モデル切り替えの時期にさしかかったためで、「冬春商戦モデル出荷前により4カ月ぶりにマイナス」となった。一方、昨年10月は、「冬春モデルの出荷が始まったことで4カ月ぶりに(スマートフォンの出荷台数が)100万台を超えた」時期だった。

■100万台割り込みは昨年5月以来

 携帯電話の出荷台数が単月ベースで100万台を割り込むのは、2016年5月(87万5,000台、うちスマートフォン:34万3,000台)以来。

 9月は102万4,000台(うちスマートフォン:70万8,000台)とギリギリで100万台を超えていたが、スマートフォンの落ち込みが大きく、それ以外の売れ行きは伸びたものの、ついに100万台割れとなった。単月ベースでは、7月(166万4,000台、うちスマートフォン:119万6,000台)から4カ月連続で出荷台数が減少している。

■まだまだ大きいスマホ以外の需要

 スマートフォン以外の出荷が伸びた結果、11月は、全体におけるスマートフォンの比率が53.8%にまで減少した。60%を下回るのは今年5月以来で、最も比率の高かった6月(73.4%)から2割近くも下落している。メーカーや通信会社は、スマートフォンへ重心を移しつつあるが、それ以外の需要も当面残りそうだ。

■新モデルの売れ行きに注目

 ただし4月から10月までの累計出荷台数は、946万3,000台(前年同期比+3.0%)、そのうちスマートフォンが615万9,000台(同+19.2%)と昨年を上回っている。4・5月の出荷が大きく好調だったため、ここ数カ月の落ち込みがありながらも、累計では昨年を上回った格好だ。

 11月以降の新モデル出荷により、どれだけ上乗せできるかが、年間の伸びを左右しそうだ。