理事長も温泉旅行に参加

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 本誌(「週刊新潮」)は12月7日号で、日馬富士事件の真相を“分かりにくく”している要因は〈テレビ、新聞などのメディアが「八百長」「ガチンコ」というキーワードを“避けて”今回の事件を報じているから〉だと報じた。それもむべなるかな、相撲協会と記者は土俵外で「裸の付き合い」に興じていたのだ。

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 10月17日、名湯で知られる湯河原。大浴場から貸切露天風呂まで備えた高級ホテルに、「相撲関係者」が集っていた。当時、スポーツメディアはプロ野球のクライマックスシリーズを大々的に報じており、この時点では、その後、角界を揺るがすことになる大不祥事の予兆すら感じられない。相撲関係者にとっては長閑(のどか)な秋の一日だった。

理事長も温泉旅行に参加

 八角理事長をはじめ、相撲協会の理事たちがホテルの宴会場に居並び、高級食材の夕食に舌鼓を打つ。それだけなら、協会内部の優雅な秋旅行という話に過ぎない。しかしそこには、テレビ、新聞など、いわゆる記者クラブメディアの相撲記者が多数同席していたのだ。

「相撲協会側とメディアの1泊2日の親睦会で、記者の参加費は1万5000円でした」

 と、実際に湯河原で温泉につかった相撲協会関係者が明かす。

「理事、協会スタッフ、記者をあわせて総勢約40人が集まり、一次会の夕食時には新米記者が一発芸を披露。二次会は同じホテル内のカラオケラウンジで、男3人に対して1人という感じでコンパニオンが付きました。中には、コンパニオンに『お触り』している人もいましたね」

「わざわざ深夜に…」

 別の「改革派」の相撲協会関係者が深い溜め息をつく。

「相撲協会と記者クラブの『癒着』は今に始まったことではない。今回のような旅行は昔も行なわれていて、だいたい関東の温泉宿。7、8年前には、わざわざ深夜にコンパニオンを呼び寄せたりしていた。その目的は限られてきますよね……。兎(と)にも角(かく)にも、温泉宿で、女性をはべらせて記者とドンチャン騒ぎをする。これを世間では『ずぶずぶ』の関係と言います。こういった馴(な)れ合い体質を築き、相撲協会は記者クラブの『口封じ』をしてきたんです」

 このような両者の「爛(ただ)れた関係」のなせる業とでも言うべきなのか、12月4日には、

「神聖な国技館の本土俵で、記者クラブメディアの記者がまわしをつけて相撲を取る『お遊び大会』が開催される予定でした。一般人はなかなか本土俵に上がれるものではありませんから、これも相撲協会の記者への『便宜供与』という以外にない。さすがに、このタイミングではまずいと延期になりましたが……」(同)

 相撲協会は、温泉旅行等について訊くと、

「国や自治体も国民の知る権利に応える役割を担う報道機関側と必要に応じて行なっており、当協会における懇親も会費制にするなど社会通念上儀礼の範囲にとどまり、ご批判の点はいずれも全くの的外れです」

 こう回答した。彼らにとって、1泊2日のコンパニオン付き温泉旅行は「社会通念」の「儀礼」であるらしい。

 スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏が嘆く。

「相撲協会と記者が一体となってしまっていて、この歪(ゆが)んだ関係が、何をしても批判されないという協会の隠蔽体質を助長している」

 温泉旅行等で記者たちを骨抜きの無気力相撲状態に持ち込み、「ぬるま湯」につかってきた相撲協会。湯河原に戻り、熱湯風呂にでも入り直したほうが良さそうだ。

「週刊新潮」2017年12月14日号 掲載