西新宿に実在する理容店を舞台に、経営コンサルタントと理容師が「行列ができる理容室」を作り上げるまでの実話に基づいたビジネス小説。「小さな組織に必要なのは、お金やなくて考え方なんや!」の掛け声の下、スモールビジネスを成功させ、ビジネスパーソンが逆転する「10の理論戦略」「15のサービス戦略」が動き出す。
理容室「ザンギリ」二代目のオレは、理容業界全体の斜陽化もあって閑古鳥が鳴いている店をなんとか繁盛させたいものの、どうすればいいのかわからない。そこでオレは、客として現れた元経営コンサルタントの役仁立三にアドバイスを頼んだ。ところが、立三の指示は、業界の常識を覆す非常識なものばかりで……。
12/6配本の新刊『小さくても勝てます』の中身を、試読版として公開します。

調髪料無料で、アドバイスを依頼

オレは、バーバーチェアを静かに倒して、顔剃りを始めた。

気持ちよさそうに軽くいびきをかき始めた立三さんの頰から顎、首と剃刀を滑らせているうちに、なんだか心の中に立ち込めた靄がスーッと晴れていくような気持ちになった。

――一見、破天荒なようだが、話はわかりやすいし、言っていることにも理屈が通っている。経営の知識も豊富そうだし、やっぱり、この人がアドバイスをくれたら、「ザンギリ」を何とかできるかもしれない。

「あのぉ、ヘアカットモデルになっていただいたら無料になりますが……今度から定休日の日曜に来ませんか?ただ、給湯が止まってしまうので、洗髪や顔剃りはできませんが」

入口の横に貼った「ヘアカットモデル募集」の手製のポスターを見て、気がついたら口からそんな言葉が出ていた。

「へー、タダか?」

「はい。その代わり、髪を切っている間、経営について教えてくれませんか?オレ、何としてもこの理容室を繁盛させたいんです。でも、具体的に何をどうしたらいいのかわかりません。ぜひ、やり方を教えてください」

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