『SmaSTATION!!』最終回放送当日にライトアップされた東京タワー(「Wikipedia」より)

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 東京タワーがクリスマスイルミネーションに彩られる季節がやってきた。東京タワーといえば、元SMAPの香取慎吾が司会を務めた『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)が9月23日に16年間の歴史に幕を下ろしたとき、厚意で番組イメージカラーの青と黄にライトアップして話題になった。

 一方で、テレビがデジタル放送に移行した今、「電波塔としての東京タワーは“無用の長物”になっているのでは」との疑問も浮かぶ。東京都心部に行けば誰もが目にする東京のシンボル・東京タワーの今はどうなっているのか?

●SMAPファンが殺到して“ある商品”が完売…

「『SmaSTATION!!』は、16年という長期にわたって毎週、東京タワーを背景にオープニングをしてくれました。最終回のライトアップ企画は、出演者をはじめとする番組関係者のみなさま全員への感謝の気持ちです」

 そう話すのは、東京タワーマーケティング課の澤田健さん。以前から聖地として訪れるSMAPファンはいたが、最終回が放送された翌日以降は、ライトアップ企画への感謝の気持ちを伝えに、わざわざ東京タワーを訪れる香取およびSMAPのファンが増えたそうである。その証拠に、東京タワーの土産店では、一時“あるもの”が完売状態となった。

「東京タワーの下、フットタウン2階の土産店に『努力』と『根性』と書かれたキーホルダーが販売されていますが、SMAPのヒット曲『がんばりましょう』の歌詞にちなんで、SMAPファンの間では話題になっていたようです。今回、『SmaSTATION!!』の終了をきっかけにファンの方たちに多数訪れていただき、あっという間に完売してしまいました」(澤田さん)

 ちなみに、今回のライトアップ「ありがとう!SmaSTATION!!ダイヤモンドヴェール」(これが正式名称)は、あくまでも東京タワーの厚意による無償のサプライズだ。仮に企業がプロモーションなどで東京タワーのライトアップを利用する場合、どれくらいの費用がかかるのだろうか。

「ライトアッププロモーションは費用ありきではなく、内容ありきで対応させていただいております。完全にケースバイケースなんです」(同)

●実は今も電波塔として機能している東京タワー

 驚いたのは、東京タワーは「まだ電波塔としての役割を終えていなかった」という事実だ。

 2011年にアナログ放送から地上デジタル放送に移行したとき、世間に「電波塔としての役割は、東京タワーから東京スカイツリーに引き継がれた」というイメージが広まった。ところが、実際は完全に移行したわけではないという。

「よく誤解されているのですが、東京タワーは今でも電波塔として現役で働き続けています。『TOKYO FM』『InterFM897』などのFM放送や、マルチメディア放送の発信のほか、無線中継基地局の役割なども担っています」(同)

 また、なんらかの事情で地上デジタル放送の電波が停波してしまった場合などは、東京タワーがバックアップする。そのための機能も持っているのだ。

「確かに、以前と比べて放送関連の不動産賃貸収入は減っています。その一方、観光スポットとしての価値は高まり続けています。収益の中心となるのは展望台を中心とする観光部門で、シーズンごとにさまざまな仕掛けを用意するなど、工夫を凝らしています」(同)

 今の時期は、特別な冬を演出する期間限定のイベントが開催中だ。大展望台2階で投映されているプロジェクションマッピングのテーマは「CRYSTAL TOKYO TOWER」。なんと展望台の中に雪が降り、夜景をバックにダイヤモンドダストが出現する演出も。

 また、正面玄関前には、高さ約12mのメインツリーを中心に、東京タワーのシンボルカラーでもあるオレンジ色をテーマにしたウィンターイルミネーションが飾られている。

 このような演出や季節ごとのイベント、さらにインバウンド(訪日外国人観光客)効果もあって、観光客は着実に増え続けているという。

 フットタウン2階にある、昔ながらの土産店が並ぶ「東京おみやげたうん」。ちょっと懐かしい雰囲気が残るこのエリアも、外国人観光客に受けがいいそうだ。

「いわゆる“ザ・東京”といった、日本人から見るとベタな土産物が喜ばれているようです。『東京おみやげたうん』は売り上げが落ち込んだ時期もあったのですが、近年はインバウンド効果の恩恵を受けていますね。

 ちなみに、フットタウン3階の「東京ワンピースタワー」や「アニメイトJMA東京タワー」など、日本の人気コンテンツであるアニメをテーマにした施設が充実している点も、外国人観光客に受けがいい要因かもしれません」(同)

 一方、東京都心部に住む人々にとって、東京タワーは当たり前に存在しているものであり、いつでも行くことができるものだ。そのため、都内近郊で暮らす人たちの呼び込みが重要であるという。

「そこは、我々にとって大きなテーマです。観光スポットというイメージだけではなく、フラッと立ち寄って楽しんでもらえるコンテンツを提供することが大事だと思っています」(同)

 東京タワーの2つの展望台は、現在リニューアル工事中。今後、まったく新しいイメージに生まれ変わるという。

 そして、3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックでは、“東京のシンボル”としてさらに世界中の注目を浴びるに違いない。そのとき、東京タワーがどんなサプライズを見せてくれるのか。今から楽しみだ。
(文=中村未来/清談社)