執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

生活習慣病になりやすいタイプといえば、肥満傾向の人ですが、同様に痩せ型の人もさまざまな健康リスクが高くなります。モデル体型に憧れ、低体重になっている人は注意を!

「痩せすぎモデルはNG」が世界的な流れに

どんな服でも素敵に着こなす、スラッとしたモデル体型に憧れたことありませんか? でも、このモデル体型に影響されて引き起こされる健康被害が、世界で問題になっています。
フランスでは、今年「痩せすぎモデルの活動を中止する法律」が施行されました。これは、モデルやモデルに憧れる若い女性の摂食障害が深刻化しているため。法律の内容は、BMI(Body Mass Index)値が18を下回るモデルの活動を禁止、写真を細く修整するなどした場合は、それを記載することも必須というものです。

BMI値18.5以下は、痩せすぎ注意

また、日本でも、厚生労働省が行っている「国民健康・栄養調査」で、BMI値が18.5未満の痩せ型の女性が20代30代で増加し問題視されています。BMI値とは、身長と体重の関係を指数で表したもの。WHO(世界保健機関)が定める、BMI値の基準を下記にご紹介します。

18.5未満/低体重
18.5以上 25.0未満/標準体重
25.0以上 30.0未満/肥満(1度)

このBMI値は一般的な健康診断でも使われている指標です。計算式は以下になります。

体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))

例えば、身長160cmで、体重が50kgの場合だと、「50÷(1.6×1.6)=19.5」となり、標準体重となります。ですが、体重47kgになると、18.3となり、低体重に。たった3kgの差と思われるかもしれませんが、この低体重がさまざまなリスクを高めることがわかってきました。低体重から健康リスクはイメージしにくいかもしれませんが、肥満と同様のリスクがあるという専門家もいるほど。痩せている人は、食生活を中心とした、生活習慣の見直しが必要です。

早期閉経、子宮内膜症、不妊などリスクが多数

痩せすぎ・モデル体型が引き起こす健康リスクは以下の通りです。

1、早期閉経

一般的に、閉経は50歳を境に前後5年の、45歳から55歳頃に訪れます。それが、45歳未満に閉経してしまうことを、早期閉経といいます。米国マサチューセッツ大学の研究によると、10代と30代に低体重だった場合、早期閉経になるリスクが高まることが明らかに。早期閉経になると、女性ホルモンの分泌がなくなるので、更年期障害のような症状が現れます。

2、月経不順・無月経

低体重だと、体は慢性的な飢餓状態に。体は生命の維持に必要な心臓などの大きな臓器に栄養を送ることを優先させます。そのため、ホルモンバランスが乱れ月経不順や、無月経に。一度、月経不順や無月経になると、通常の生理サイクルに戻るまで、かなり時間がかかります。

3、不妊

低体重の人は、ホルモンバランスが乱れやすいので将来、不妊になるリスクも高まります。妊娠前のBMI値が低体重だと、正常体重の女性に比べて、約4倍の期間がかかるという報告も。

4、低体重児の出生率増加

母体が低体重だと、体重が2500g以下の低体重児の出産リスクが、適正体重の人と比べて2倍に。また、低体重児は成人になった時に、生活習慣病リスクが、適正体重だった出生児に比べ6倍高いともいわれています。

5、子宮内膜症

BMI値が、18.5未満の人は子宮内膜症になるリスクが高いと発表されています。

6、骨粗鬆症

骨の量を計測する指数が骨密度。この骨密度は、20代をピークに加齢とともに減少します。骨密度が高い、20〜30代に低体重だと、閉経後に骨粗鬆症になるリスクが高まります。また、低体重だと女性ホルモンの分泌が減少し、骨を再生する細胞のバランスが崩れ、骨密度の減少が加速するリスクも。

7、貧血

低体重の人は、栄養不良で鉄欠乏性貧血になる確率が高くなっています。日常的に、だるい、つかれやすいといった症状を感じます。

8、免疫力の低下

低体重の人は、栄養不足の状態のため、体の各機能が十分に働かず、外から体内に入ってくるウイルスや細菌への抵抗力も弱くなります。風邪や感染症などにかかりやすく。

9、心血管疾患

心臓や血管など、循環器の病気で、心筋梗塞や狭心症、大動脈瘤、大動脈解離などをいいます。心血管疾患というと、肥満の人がかかりやすいイメージですが、肥満の人と同様に、低体重の人もリスクが高くなります。また、不整脈などの症状も報告されています。

10、肌荒れ、髪のパサつきなど

低体重の状態が続くと、常に栄養は命に関わる内臓などの臓器に優先的に送られます。肌や髪、爪などは後回しになるため、肌荒れや髪のパサつき、爪が割れやすいなどの症状が出やすくなります。

11、低血圧

体の栄養不足状態が続くと、人が生きるのに必要な体温の維持や内臓の働きも維持するのが難しく。全身の血行が悪いため、低体温はもちろん、冷え性にも。貧血になる人もいます。