せっかくのデートを失敗に終わらせないために、マナーはとても大事。この連載では、気になる男とのデートで「とりあえず、ここだけは押さえておきたい」というマナーをご紹介します。マナーのツボを押さえている女子は、それだけで好印象に 今回は、彼や彼のご家族・上司とお食事という場面で役立つマナーをご紹介します。あなたは“懐石料理”を美しく食べる自信がありますか?

文・並木まき

「懐石料理」って何?

“懐石料理”とは、茶会の席において、お茶の前に出される軽食を指し、かの千利休が完成したものだと言われています。

空腹のまま刺激の強い茶を飲むことを避けるのが目的です。料理の品数や出てくる順序に決まりがあります。

※ “懐石”という言葉に“料理”という意味が含まれているのですが、“懐石料理”と呼ぶのが一般的です。

お料理の順番と、それぞれのマナーを確認

それでは、一般的な懐石料理店で出されるお料理の順番通りに、それぞれのマナーをご紹介※ 順番には諸説あります。

実際に食事をいただくにあたっては、ちょっとしたポイントさえ押さえておけば、懐石料理は怖くありません!

1:飯最初に出てくるお料理が“飯”。

本格的なお料理の前に出てくる、ちょっとしたお料理です。

小さなお寿司などのご飯ものやお蕎麦が出ることが多く、音を立てずに食べるのがスマート。

2:お椀(汁)次に、箸や口を洗う(と言っても、実際に洗うわけではありません)ために、お椀が出てきます。

いきなり中身を食べるのではなく、最初に汁をひと口吸うのがマナー。

その際、お椀から外した上蓋は裏返してお椀の向こう側に置き、食べ終えたら運ばれてきた時と同じ状態になるようお椀へ戻します。

よく、「食べ終わりました」のサインで上蓋を裏返しにする人がいますが、器が傷つくという理由で、厳密にはマナー違反です。

3:向付(むこうづけ)旬のお魚を使ったお料理が出てくるので、ゆっくり丁寧に味わいながらいただきます。

4:椀盛澄まし汁に、沢山の具が入ったお料理。こちらも、上蓋はお椀の向こう側に。

5:焼物旬のお魚を焼いたものが多く、最近では骨を取った状態の切り身が出てくることが多いです。

6:強肴(しいざかな)「強いてもうひとつ」という意味で出てくるのが強肴。酢の物や、和え物が出されることも。

7:八寸(はっすん)海のものや山のものが盛り付けられて出てくるお料理。こちらも、ゆっくり丁寧に味わって。

8:湯桶(ゆとう)昔はお茶漬けなどが出ることもあったようですが、最近ではご飯ものが出てくることが圧倒的に多いです。炊き込みご飯など、ちょっと凝ったものも。

10:香物お漬物です。締めのご飯と一緒に、バランス良くいただいて。

懐石料理は、基本的に出された順番の通りに、丁寧に味わっていただけば大丈夫。

マナーの真髄は、一緒にいる方に不快な思いをさせないことですから、「懐石料理なんてムリ!」と毛嫌いせずに、丁寧に味わいながらその場を楽しんで。

懐石料理の順番も、お店によって多少変わることがあるので、まずは名前を覚えておくだけで問題ないでしょう。

細かいマナーをあげればキリがないので、まずは「これだけは」の部分を押さえて、恐れずに臨んでみて!

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