木村拓哉その人をとらえる本

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2016年12月31日を持って解散したSMAPの中心的メンバーであったのがキムタクこと木村拓哉です。本人はこの略称を気に入っていないといった話もありますが、ほとんどの人にとってキムタクの名称は自明でしょう。

人ではなく存在としてとられる

木村拓哉とは何者かと問われればそこに明確な答えを出すことは難しいのではないでしょうか。SMAPというアイドルグループのメンバーであるとともに、俳優、ミュージシャンとしても活動します。さらにレギュラー番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)においては器用にコントもこなし、コメディアンとしての要素もあるでしょう。そんな木村拓哉という存在にメディア研究者が迫った本が太田省一による『木村拓哉という生き方』(青弓社)です。

メディアからキムタクに迫る

本書はいわゆる木村拓哉の評伝のようなものではありません。そうした来歴に関する記述は週刊誌報道はもとより、ウィキペディアの項目にも載っています。誰もが知るところであるため、あらためて確認する必要はないであろうというのが筆者のスタンスなのかもしれません。一方で本書で採用されているのは、木村拓哉が出演したドラマや、あるいは楽曲、番組といったものに注目しています。それは声優として出演した『ハウルの動く城』、あるいは明石家さんまと共演するバラエティ番組『さんタク』といったものです。本書では木村拓哉の出演するメディア、関わるメディアが時系列にならべられているわけではありません。いわば、まぜあわされることによって、どこを切り取っても木村拓哉でしかないといった魅力を暴き出そうとしています。ファン目線から書かれた本ではないのですが、いやがおうにもそこには対象への愛情が滲み出ているのも確かでしょう。