台湾政府の除国勇報道官は12日、台湾における冬期の大気汚染は主に大陸から流れ込んだものと説明し、日本や韓国も被害が出ていると述べた。写真は台北。

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中華民国行政院(台湾政府)の除国勇(シュー・グゥオヨン)報道官は12日、台湾における冬期の大気汚染は主に大陸から流れ込んだもので、台中火力発電所などが原因ではないと述べた。除報道官は日本や韓国も被害が出ているとして中国の取り組みが必要と主張した。台湾通信社の中央社などが12日付で報じた。

台中火力発電所は台中市にある大型石炭火力発電所で、大気の汚染源になっているとの批判が出ていた。同発電所については、ほとんどの発電ユニットの操業許可の期限が2018年2月24日までだったが、台中市環境保護局は11月30日までに石炭使用料の上限を20年までには年間500万トン削減することを条件として操業許可の延長を認めた。

しかし、市民団体や野党の国民党からは、同発電所が認められていた石炭の年間使用量上限は2100万トンだったが、14年から16年までの使用量実績は1802万トンだったとして、2100万トンを基準に500万トン削減しても効果に乏しいとの批判が出た。

一方で、インターネットでは同発電所の夜間操業で大気中に大量の煤煙が放出されているとする動画が注目を集めていたが、発電所を運営する台湾電力公司は今月4日までに、撮影されている施設は台中発電所ではないと指摘し、動画の削除を求めることを明らかにした。

台湾政府の除報道官は、行政院の頼清徳(ライ・チンダー)院長(首相)が12日、台湾中部・南部の首長と座談会を行い、大気汚染問題を話し合ったと説明。頼首相は意見表明を控えたが、出席者からは大気汚染は中国大陸から流れ出たものとの指摘があったという。

除報道官は、台中発電所の問題について、同発電所は夏期にフル操業しているが大気の状態は良好で、稼働率が3分の2程度に落ちている冬期に大気汚染が深刻になっていると指摘。さらに、中国側も大陸で発生している大気汚染が台湾に一定程度の影響を与えていることを認めており、大陸に近く大規模な工場がない金門や馬祖が冬期には深刻な大気汚染に見舞われているとして、台湾における冬期の大気汚染は中国大陸部に由来すると考えるのが「科学的」と主張した。

除報道官は、大気汚染の分布図を見ると、影響は日本や韓国にも及んでいると説明し、中国大陸にはこの問題を重視し、共に解決することを「お願いする」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)