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虫歯にならないようにするには、いつ歯を磨けばいいの?

読者の健康や美容にまつわる悩みを、さまざまな分野の専門医の力を借りて解消していく連載「教えて! ドクター!!」がスタートします。

初回のテーマは「虫歯」です。大人も子どもも悩まされるこの虫歯や歯周病といった、代表的な「お口のトラブル」を避けるには、いつ歯磨きをすればいいのでしょうか。答えてくれたのは、むらたデンタルクリニックの村田雄子医師です。

○虫歯と歯周病ができる過程

――Q. 虫歯や歯周病にならないために最適な歯磨きのタイミングはいつですか?

まずは、虫歯と歯周病がどのようにして発病するかを知っておきましょう。

虫歯は口の中の常在細菌の感染により、歯質がやわらかくなり溶けて崩壊していく病気です。症状は一般的にゆっくりと進行する慢性疾患です。初めに歯の外側のエナメル質が脱灰(だっかい: 歯の組織からカルシウムなどが溶け出すこと)し、その後により内側の象牙質、歯髄と呼ばれる場所へと進行していきます。

エナメル質にとどまっている間は、ほとんど症状はありません。あるとしても、表面が褐色や黒色になるぐらいです。象牙質に進行すると冷たいものがしみたり、硬いものを噛んだときに少し痛みを感じたり、エナメル質が崩壊して穴が開いたりします。歯の表面も粗く、ザラザラした感じがすることもあります。

歯髄まで進行すると、さまざまな痛みが現れてきます。放置しておくと歯髄炎を起こし、強い痛みに襲われます。

歯周病は細菌感染により引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの組織や歯肉、歯槽骨(しそうこつ)に炎症が起こる疾患です。歯垢(プラーク)の中の細菌が歯肉の炎症を引き起こし、やがて歯槽骨を溶かしていく病気で歯を失う原因となります。

症状は徐々に進行していき、歯茎の赤みや腫れ、出血、口臭などの症状が現れます。以下のような症状が確認できる場合は歯周病の疑いがあります。

・起床時、口の中がネバネバする

・ブラッシング時に出血する

・口臭が気になる

・歯肉が赤く腫れている

・歯肉がむず痒い、痛い

・硬いものが噛みにくい

・歯が長くなったような気がする

・歯と歯の間に隙間ができる、物が挟まりやすくなってきた

ご自身でセルフチェックしてみてください。

○歯磨きに最適の時間帯は……

では本題ですが、虫歯や歯周病といったお口のトラブルを避けるには、いつ歯を磨けばいいのでしょうか。実は、近年は「食後30分は歯を磨くべきではない」と言われるようになっています。

口腔内に食べ物が入ると口腔内は酸性に傾きます。酸性になると歯は脱灰していきます。その一方で、唾液の作用によって口腔内は中性に戻されて(再石灰化: カルシウムなどを歯に取り込むこと)いきますが、食後30分はまだ酸性が強いため、歯磨きをしてもいつもより口腔内が傷つきやすく、再石灰化も阻害されてしまうというのが「食後30分以内の歯磨きはNG」の根拠になっているようです。

しかしながら、個人差もあるため一概には言えないのが現実ですし、なにより、酸性の時間を短くするために一刻も早く歯磨きして口腔内の糖を取り除く方が大切です。食後はなるべく早く歯を磨くようにしましょう。また、いつも口腔内に食物が入っている環境にしないため、だらだら食いをしないようにすることも重要です。

○実践したい歯磨きの方法

ただし、歯磨きをすると言ってもその方法にもちゃんとコツがあります。歯ブラシの持ち方による歯ブラシ圧のコントロールや、それぞれのお口にあった大きさや硬さの歯ブラシ選びなどがその一例です。

磨き方ですが、歯と歯茎の際にブラシが当たるよう、小刻みに動かしましょう。歯を1本ずつ磨く気持ちで丁寧に動かすイメージですね。歯並びや歯の状態(詰め物や欠損など)により、歯ブラシの形状など使い分けるなどのひと手間をかけることも、口腔環境維持には重要ですよ。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: 村田雄子(ムラタ・ユウコ)

歯科医。En女医会所属。

大阪歯科大学卒業卒業後、ライオン歯科衛生研究所での勤務を経て2003年にむらたデンタルクリニック開業。老年歯科医学会および摂食嚥下歯科学会会所属。「明るく笑顔で! 」をモットーとする。

En女医会とは

150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。