女優・綾瀬はるかが、12月6日に最終回を迎えた主演ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ)にて披露した、西島秀俊との格闘シーンに注目が集まっている。同作は、特殊工作員として波乱万丈の人生を歩んできたヒロインの菜美(綾瀬はるか)が、ごく普通の幸せに憧れてセレブ合コンで一目ぼれした伊佐山勇輝(西島秀俊)と結婚し、持ち前の格闘技術を使ってご近所トラブルを解決する物語。最終話では、夫の勇輝が、実は菜美を監視する公安の人間だったことがわかり、菜美と直接対決をするのだが、その格闘シーンがあまりにもハイレベルだったため、視聴者を驚かせたのだ。

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 綾瀬はるかといえば“天然キャラ”としても知られる女優で、おっとりとしたイメージが強いため、今回の格闘シーンはよりインパクトがあったのだろう。実際のところ、彼女のアクションのレベルはどの程度のものだったのか。アクション映画への造詣が深いライターの加藤よしき氏に分析してもらった。

「今回のドラマで綾瀬さんが披露しているのは、東南アジアの伝統的な武術“シラット”をベースとしたもので、最終話での長回しのアクションシーンは、2014年に製作されたインドネシアのアクション映画『ザ・レイド GOKUDO』を彷彿とさせるほど見事なものでした。スタントマンとともに相当の練習を積んだことを感じさせるもので、実際に彼女の技を受けたらかなり痛いだろうと思わせる説得力がありました。肘打ちや、睾丸への打撃なんかも良いですね。格闘シーンにとって、この“痛そう”という感覚はかなり重要で、それを綾瀬さんが表現したことに感銘を受けます。こういうドラマだとフンワリとしたアクションシーンになりがちですが、しっかり敵を潰しにいっている感じがする良い格闘シーンだったと思います」

 また、本作のラストシーンが続編を予感させるものだったため、映画化などを期待する声もある。加藤氏はそのことに対し、「地上派ではできないアクションが見られるかもしれない」と続ける。

「シラットは、非常にエグい技があるのが特徴です。今回、ゴールデンタイムの地上波のテレビドラマであれだけのアクションを披露したのは賞賛に値しますが、もし映画や配信ドラマであれば、さらに過激で、人を殺せる技術としての説得力のあるアクションが見られる可能性もあります。格闘アクション好きとしては、いわゆる“名勝負”を期待せずにはいられません。名勝負が生まれるには、一対一の勝負できちんと決着が付き、なおかつ実力が拮抗した相手が必要となります。その相手となるのは西島秀俊さんでも良いのですが、個人的には武田梨奈さんなど、本格的にアクション女優さんとして活躍している方と戦ってほしいですね」

 そんな綾瀬はるかは今後、アクション界にどんな影響を与えるのだろうか。

「綾瀬さんが主演を務めているNHK製作の大河ファンタジードラマ『精霊の守り人』ではワイヤーアクションを披露しています。リアリティ重視の格闘アクションだった『奥様は、取り扱い注意』とはまた毛色が違うアクションで、幅の広さも感じさせますね。かつて70〜80年代には、志穂美悦子さんのような伝説的なアクション女優さんがいました。しかし、90年代以降は流行などもあって、女優さんが本格的にアクションを披露する機会が徐々に減っていったと思います。それが近年では、漫画実写化作品などの増加もあり、再び需要が増えてきた印象です。綾瀬さんのようなトップ女優が進んで様々なアクション作品に挑戦することで、シーン全体がさらに盛り上がることを期待したいですね」(松田広宣)