ゾラニ・テテ【写真:Getty Images】

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「スポーツ界の名珍場面総集編」…11月のボクシング世界タイトル戦“史上最速KO劇”

 2017年のスポーツ界を沸かせた名シーンを連日にわたって振り返る「名珍場面2017」。今回は11月にボクシングの世界タイトル戦で起きた「“史上最速”の11秒KO劇」だ。WBO世界バンタム級王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)がシボニソ・ゴニャ(南アフリカ)にタイトル戦史上最速のKO勝ちを達成。衝撃の瞬殺シーンを仏メディア「レキップ・チャンネル」が動画付きで紹介し、海外メディアも「衝撃的な11秒」「獣のようなKO劇」と騒然。世界に大反響を呼んだ。

 まさに瞬殺。目を逸らしていたら、終わってしまう。歴史的KO劇が11月18日、イギリスの地で生まれた。

 WBOタイトル戦。1回だった。試合開始のゴングが鳴る。白いパンツにグローブの王者テテは右手で十字を切り、中央に歩み寄った。どんな試合となるのか――。ファンの心も準備もまだできない、開始5秒だった。ゴニャの右ジャブを軽くいなした次の瞬間、一瞬の隙を突き、強烈な右フックを顎に見舞った。

 すると、ゴニャは仰向けに倒れ、焦点を失った目で完全に失神していた。レフェリーが確認に入る。到底、戦える状態ではない。即座にKO勝ちが下った。時計は残り2分49秒。開始11秒でKOが成立した瞬間だった。実況も事態をのみ込めないといった様子で、ひたすら驚きの声を上げ、興奮状態に陥っていた。

失神ゴニャは酸素マスク投入…海外メディア「衝撃的な世界新記録樹立」

 衝撃のシーンを「レキップ・チャンネル」は「ゾラニ・テテがシボニソ・ゴニャに迅速なKO勝ち」と公式ツイッターに動画付きで紹介した。映像を見ると、この日最初のパンチでマットに沈め、コーナーに戻って試合終了を聞いたテテは汗すらかかず、涼しげな表情。リングに飛び込み、抱擁を交わした陣営の方がむしろ大興奮だった。

 世界タイトル戦史上最速となる11秒KO勝ちは衝撃が広がった。試合が行われた英国のミラー紙は「ゾラニ・テテが衝撃的な11秒KOで世界新記録樹立」と特集し、「ゾラニ・テテの衝撃的ショットでゴニャはピクリとも動かなくなり、自分の足で戻ることなく、リング内で医学的治療を受けることになった。酸素マスクも必要な状態だった」と生々しくつづっている。

 米専門サイト「ボクシングシーン.com」は「ゾラニ・テテによる獣のような11秒のKO劇」、放送局「CBSスポーツ」も「あるボクサーが試合開始11秒での最初のパンチで対戦相手を失神させるKO」と報道。試合後、テテは「正方形のリングの中に立ち、与えられた仕事をしたまでさ」と自身のインスタグラムでクールに振り返っていた。

 今年のボクシング界で大きな話題を打ち立てたテテ。日本では来年にバンタム級転向が噂されるWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)との対戦もファンの間で期待されている。衝撃の“11秒KO王者”の動向には、来年も注目だ。