「主将をやらせたかった」「また怪我をした」 ハリルJ辛勝の中国戦で明暗分けた二人の中盤

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堅実なプレーを見せた34歳今野を指揮官が称賛! 一方、負傷離脱の大島は…

 E-1選手権の中国戦で2-1勝利を飾った日本代表で、中盤二人にくっきりと明暗が分かれてしまった。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は今大会2試合連続で、攻守に高い機能性を見せたMF今野泰幸(G大阪)にキャプテンマークを託そうとしたことを告白する一方、前半途中で交代したMF大島僚太(川崎)の負傷に心を痛めていた。

 試合後の記者会見で、ゴールを決めたFW小林悠(川崎)とDF昌子源(鹿島)の評価について質問されたハリルホジッチ監督は、質問になかった今野について突如称賛した。

「ここで正直に言いますけど、今野にキャプテンをやらせたかった。ただ今野はキャプテンマークを重要だと思っていた。彼は本当に謙虚な人間で『自分でいいのか』と。彼ともディスカッションをして『監督が言うように僕がしっかりと喋るから』と言ってくれました」

 今大会の日本代表で最年長、34歳の今野。この日はアンカーのポジションに配置され、相手カウンターのケアに重点を置いた。9日の北朝鮮戦ではMF井手口陽介(G大阪)の決勝ゴールを絶妙なヘディングでの落としでアシストするなど、ハリルホジッチ監督にとってその信頼ぶりは非常に厚い。何よりも自らの解任危機が浮上していた今年3月のロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選、敵地UAE戦で勝利に導くゴールを決めた活躍ぶりを引き合いにこう話した。

「今野は素晴らしい姿勢を見せてくれた。ディシプリンも、タクティクスも守備もそうだし、アンカー役でしっかりオーガナイズできました。ただ右サイドにもっとサイドチェンジできれば完璧でした。それでも素晴らしいゲームを今野は見せた。UAE戦のような今野が戻ってきましたね。このプレーを数回続けてほしいですね」

「かなり喋るようになった」とコミュ力評価

 手放しで絶賛した今野とは対照的に、同じ中盤で落胆を露わにしたのは背番号10だった。「大島はこれが初めてじゃないけど、また怪我をした。それが残念。個人的な喜びが大島の怪我で失われた」と、前半途中に左足ハムストリングを痛めてピッチを去ったことを悔やんでいた。シャイな性格で知られる大島の変化を感じただけに、指揮官は無念さを一層募らせていた。

「大島もかなり喋るようになりましたね。みんな想像するより喋っている」

 選手にフィールド上で積極的なコミュニケーションを求めるハリル監督だけに、大島のコミュニケーション能力の向上と内面的にリーダーシップの萌芽を実感していた。次代の司令塔候補は、来年のロシアW杯出場に向けた最大のチャンスを逃してしまった。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images