惜しくも韓国に敗れた北朝鮮。中国との最終戦ではどのような戦いを見せるのだろうか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 E-1選手権に出場中の北朝鮮代表。大会初戦となった9日の日本代表戦から多くの日本在住者が応援に駆け付け、声援を送っている。12日の韓国戦でもその光景は変わらず、0-1で敗れたとはいえ、サポーターの数では相手を上回っていた。
 
 今大会の北朝鮮代表は、3人のJリーガーが今大会に参加している。李栄直(讃岐)、金聖基(町田)、安柄俊(熊本)だ。彼らは日本で生まれ育った選手たち。そういう意味では、北朝鮮代表の一員として日本で公式戦を戦うことに特別な思いを抱いている。「自分が生まれ育った国ですし、自分と同じような在日朝鮮人の方が応援に来てくれた。その中で試合が出来るのは嬉しい」と話した安柄俊の言葉からも充実ぶりが伺えた。
 
 そこで安柄俊に選手たちとのコミュニケーションや、北朝鮮と日本のサッカーの違いを尋ねてみた。
 
 まず、選手たちとの会話だが、「女の子のことが会話で出ますよ。普通の男子の会話ですね」と安柄俊は明かしてくれた。また、映画などの話題も多く出るようで、「北朝鮮のドラマとか映画の話も出てきて、『知っているか』と聞かれるけど全然知らないのでついていけない(笑)」と笑顔を見せた。
 
 そして、北朝鮮の選手たちとのプレーに関して安柄俊は、「身体能力はものすごく高い。たまに練習とかで全然集中していないような雰囲気もあるけど、試合になればすごいパワーを出す時がある。毎回の練習で質を高めていくのは今後の課題だと思う」と語った。ただ、取り組んできたサッカーが違うため、ギャップを感じるところも多いとのこと。「日本のクラブでやっていると3人目の動きなどをかなり言われますが、北朝鮮は球際の攻防とかに重きを置いている感じがある」と話した。
 
 サッカーのスタイルは日本と違えど、ピッチを離れれば他愛のない話で盛り上がる北朝鮮代表。しかし、恵まれた環境でサッカーに取り組んでいるわけではない。例えば、今回着用している試合用ユニホームにはスポーツメーカーのロゴが入っていないし、ジャージは別メーカーのものを着用している。

 これはアンデルセン監督の計らいでアップ用のウェアが用意されたためで、用具を揃えるのにも様々な苦労を抱えているのかもしれない。そのような状況でも彼らはサッカーに打ち込み、日本をあと一歩のところまで追い込んだ。そして、韓国戦でも最後までファイティングスピリットを見せつけてくれた。

 そんな彼らが最終戦でどのようなプレーを見せるのか。16日の中国戦にも注目が集まる。

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取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWEB編集部)