「小川直也・雄勢」親子(写真:小川直也オフィシャルサイト「オーちゃんのホームページ」より)

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 男子100キロ超級は日本柔道の看板階級である。

 柔道が五輪種目に正式採用されたのはご存知1964年の東京五輪。当時の最強階級は無差別級で、これをオランダのヘーシンクに制せられ、日本柔道は惨敗したというイメージがある。が、実はそれ以外の3階級全てで日本は金を得ていた。かように、最重量級は“重い”ということだ。

 その後の五輪は、76年に上村春樹、84年に山下泰裕が金を獲得。無差別級が廃止され95キロ超級が最重量となった88年には斉藤仁が金に輝いた。

 92年の超級代表は小川直也。だが彼は銀メダル止まりだった。2000年100キロ超級の篠原信一も誤審とはいえ銀。04年の鈴木桂治、08年の石井慧と2大会連続で金メダルを獲得したが、12年、16年はフランスのリネール(28)に連覇を許した。

「小川直也・雄勢」親子(写真:小川直也オフィシャルサイト「オーちゃんのホームページ」より)

 そんななか、ついに“新星”が現れた。

 小川雄勢。明治大学在学中の21歳。何を隠そう、あの小川直也の長男だ。

「11月の講道館杯で、10年世界選手権金の上川大樹(28)に一本勝ちして優勝し、一躍注目を集めました」

 と大手紙柔道担当記者。

 その雄勢が12月3日、グランドスラム東京に出場。16年リオ五輪100キロ級金メダリスト・クルパレクとの決勝は延長戦に突入し、14分を超える熱戦の末に優勢勝ち。初優勝を飾った。

 100キロ超級は現在、リオ銀の原沢久喜(25)と今年の世界無差別選手権銅の王子谷剛志(25)、今年のユニバーシアード金の影浦心(22)が鎬(しのぎ)を削る。ただ、原沢は心身に慢性的な疲労を感じるオーバートレーニング症候群で離脱中。王子谷は海外勢相手だと不安があるという。今回の雄勢の優勝も、

「国際大会とはいえ、東京での開催ゆえ日本人選手が比較的多く、地の利もあるので差し引いて考える必要がありますね」

 さて、今後の展望は?

「冬季の欧州遠征に参加し、グランドスラム・パリで国内1、2番手に定着したい。そうすれば来年の国内選考を経て世界選手権、やがては東京五輪へとつながる」

 ゴールは、64年大会と親父のリベンジで“金”!

「週刊新潮」2017年12月14日号 掲載