日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督

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[12.12 E-1選手権 日本2-1中国 味スタ]

 EAFF E-1選手権は12日、味の素スタジアムで第2戦を行い、日本代表は中国代表に2-1で勝った。

以下、試合後のハリルホジッチ監督会見要旨

●バヒド・ハリルホジッチ監督

「素晴らしい内容で、素晴らしい勝利だったと思う。後半、少し何分か良くない状態があり、そこで相手が2回チャンスをつくった。それ以外のプレークオリティーは良かったと思う。良いフットボールでもあった。連続プレーで前に向かうシーンが何回かあった。何回かビッグチャンスもつくったが、なかなか点が入らなかった。ただ、選手たちのプレーは祝福したい。最後にPKを無駄に与えたことは残念だ。それから大島も、これが初めてではないが、またケガをしてしまって、それも少し残念だ。個人的な喜びが大島のケガによって少し失われてしまった。それから昌子のゴールだが、得点を取りたいというよりはクリアしたいと思ったのかなと私は思った。偶然、素晴らしいゴールが決まった。それは冗談としても、ミーティングでは20m、30mのシュートを狙っていきなさいと指示は出していた。それをやってくれたが、昌子にはそういう指示は出していなかった(笑)」

─前の試合と比べて選手が同じ考えを持ってピッチ上で表現していたように見えたが。

「常に戦術トレーニングをやっているが、今回もしっかりやった。1日目、2日目はクラブの習慣が少しあるので、それを変えるのが難しかった。合宿ではクラブとまったく違うやり方を要求している。特にオーガナイズの部分。オフェンスのところは本当に素早いプレーを求めている。今回は前の選手を使って早く、動きながらということを要求した。何人かの選手には『とにかく背後に行け』と要求した。後ろの選手には、中国がパワーで来るので今回は少し体格の強い選手も選んだ。そういったことも含めて戦術トレーニングをしっかりやった。彼らのやり方、内容はうれしく思っている。

 A代表に入る候補が何人が出たなと思っている。グループのメンタル状態も良い。素晴らしいメンタル状態でトレーニングしてくれている。1試合目は少し躊躇や焦りがあった。ただ、スピーチの中でポジティブに働きかけた。君たちは能力があるから選んだのだから、それを発揮してくれと言った。君たちの長所を使ってやろうじゃないかと話した。それを踏まえて、選手がしっかり表現してくれた。今日の試合には本当に喜びを感じた。Jリーグの中でベストメンバーというわけではないかもしれないが、いい表現をしてくれた。浦和の選手、C大阪の(山口)蛍、清武、杉本もいないし、鹿島の西も見たかったが、残った選手がよくやってくれた。今日出場した選手を踏まえて、素晴らしい候補が見つかった。この数か月後によりしっかり見て、候補を選んでトレーニングしていかなければならない。

 相手は3バック、4バックを使い分けてきたが、それもしっかりトレーニングしてきた。守備のブロックはこう使おうとか、オフェンスではこうしようとか、ベースとしては早いプレーを心がけた。1試合目になかった背後をより強く要求した。1試合目と2試合目ではまったく違ったプレーが見られた。我々も1試合目をしっかり分析してトレーニングしてきた。選手には良い内容の試合、そしてハードワークしてくれたことについてありがとうと言いたい。出場した選手全員が良い試合をしてくれた」

─昌子のリーダーシップをどう評価しているか。小林は以前招集したときから変化を感じるか。

「昌子だが、素晴らしいゴールだった。シュートは揺れるような軌道を描いて入った。選手たちには『シュートを打て、シュートを打て』と言っている。今日は15本のシュートを打った。もちろん打ったシュートが全部入るわけではないが。小林は素晴らしいシーズンを送って、より得点が取れるようになった。A代表にしばらく呼ばなかったのは、A代表のリズムになかなか乗れなかったからだ。今はアグレッシブに背後に行って、しっかり落としてからまた背後に行く。常にもらえるような状態をつくってくれる。守備にも戻ってプレッシャーをかける。さらに2、3点、重要なゴールを決められるチャンスがあった。それを決められなかったのは残念だが、かなり高いレベルで次への候補に入ると思う。サイドもできるし、真ん中もできる。以前は少し軽かったが、今はかなりアグレッシブに戦えるようになった。フィジカルコンタクトも強くなって、相手にしっかり抵抗できるようになった。このように続けてほしい。よりよい準備ができると思う。今後も良いパフォーマンスが続けば、私も見続けるし、候補に入れたいと思う。ただ、23人の中にだれが入るかというのはだれにも約束できない。

 正直に言うと、最初は今野にキャプテンをやらせたかった。ただ、今野はキャプテンマークが非常に重要だと考えていて、自分がキャプテンをしていいのか、そういう資格があるのかという謙虚な人間なので、彼ともディスカッションして、『監督が要求するように自分はしっかりしゃべるから、僕はキャプテンじゃなくて、他の人にしてくれ』と。コミュニケーションの話をすると、大島もかなりしゃべるようになった。みなさんが想像するよりしゃべっている。今野は素晴らしいゲームをした。タクティクスのディシプリンが素晴らしかった。守備も良かったし、アンカー役でしっかり攻撃もオーガナイズできていた。今日は左サイドによくパスを出していたが、植田が右で上がっていたので、右に出せればもっとよかった。右サイドへのサイドチェンジができれば完璧だった。それでも素晴らしいゲームを今野はしてくれた。UAE戦のような今野が戻ってきた。このパフォーマンスをキープして、数か月続けてほしい。昌子は『クリアしたかった』と言っていた。しかも誕生日は12月11日だった。絶対に入らないと思っていたが、祝福してあげてほしい」

─植田を右サイドバックにした理由は?

「植田は長い間、我々と行動してきた。植田も三浦も若い選手だが、能力もある。中国代表を見たとき、我々の前線、中盤の選手と比べて、FKの戦いをどうしようか考えた。植田とディスカッションを重ねて、『いけます』とすぐに言ってくれた。この大会ではいろいろなことにトライしたい。毎回成功するとは言わないが、できるだけ多くの選手を見たいという考えがあった。例えば伊東も面白い選手だ。素晴らしいスタートを切った。少し打撲してパフォーマンスが落ちたが、もっといいプレーができると思う。3、4回、もっといいプレーができるというシチュエーションがあった。少し太腿に打撲を受けて痛がっていた。それは少し残念だった。植田はしっかりしたプレーを見せてくれた。少し相手との距離が遠い時間帯もあった。できるだけ早く相手について、相手をターンさせないことを習慣化してほしい。特に左サイドは危なかった。いいクロスが入っていた。それでも後半はより良くなった。オフェンスでも何回かいい突破をした。最初は難しいかなと思ったが、私が見たいものが見れた」

―中国代表のレベルをどう評価しているか。

「リッピ監督が何をしたいか理解できた。2022年への準備をしていると思う。選手が彼のことを信頼している。世界でも有数の監督で、すべてのタイトルを取ってきた。成長するであろう選手を選んできたが、数か月ですぐに成長するわけではない。数か月、数年かけて戦えるチームにしていくのだと思う。中国リーグで何が起こっているかはよく分からないが、クオリティーのある選手がいる。リッピ監督のもとでトレーニングすれば、もっと伸びるだろう。カタールでのW杯に出たいという意欲を感じる。このまま進化していくことを願っている。今日は日本が強かったのかどうかは分からないが、我々はスピードを求めていったので、中国も少し苦しんだと思う。ただ、リッピ監督を信頼していけば、ハードワークを続ければ強くなると思う」

─北朝鮮戦のあと「Jリーグの習慣を変えるのは難しい」と言っていたが、変えるためにどんなアプローチをしているか。

「たくさんのことを伸ばせると思う。そのためには時間が必要だ。最初の段階で良い習慣と悪い習慣をクラブからもたらしている。この合宿はかなり前から相当準備している。ビデオも、個人とのミーティングも、アシスタントコーチがだれと何を話すかまで準備している。私はいろんなことを要求する。守備も距離を空けないようにとか、アグレッシブさをもたらさないといけない。なぜなら早く(習慣を)変更してほしいからだ。ただ、1試合目のあとにはあまり厳しく評価しないでほしい。ゆっくり成長するということを言った。日本にいて残念なことは、もっと時間がほしいということだ。2、3回の練習では少しは伸ばせるが、たくさんは伸ばせない。ボードに書いて説明できるが、一番良いのはグラウンドでやること。その時間があまりない。昨日、どんな戦術の準備をしたのか見せたかった。一番疲れたのは私だ。しゃべり続けたからだが、選手はしっかりやってくれたので祝福したい。チームのメンタル状態も素晴らしい。批判は私にしてほしい。選手は本当にしっかりトレーニングしている。ただ、ガラッと変わるのは難しい」

─韓国代表に対する評価は。

「韓国については(アルジェリア代表を率いた)ブラジルW杯で対戦したので少し知識がある。韓国は今大会で一番強いと思う。我々は優勝を目指して戦うが、どんなことも起こり得る。疲労とケガが心配だが、今日の勝利でさらにモチベーションは高まっている。韓国にはいい選手がたくさんいる。今回はいないが、フランスリーグで評判の高い選手もいる。韓国も国内の選手だけだが、土曜日はいい戦いになると思う。前回大会のリベンジをするためにも、勝つためのトライをしたい。この大会では韓国が一番強いと思っているが、だからといって日本に勝てるかと言えば、それは別の問題だ」

(取材・文 西山紘平)


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