植田直通(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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いつもは寡黙な植田直通は、「初出場おめでとう」と声をかけられると「ハハハ!」と明るい声が返ってきた。「SBやったけど」と言いながらも笑顔が崩れない。

2年と11カ月、植田は待ちに待った日本代表デビューの日を迎えた。中国戦では本来のCBではなく、右SBとして先発。持ち前のヘディングの強さで肖智(シャオ・ジー)との競り合いに勝ち、右サイドをコンビネーションで突破してペナルティエリアに進出した。

「1発目で自分の高さを見せられたと思うから、そこからあまり自分のほうにはハイボールを蹴ってこなかったし、最初のプレーは大きかったと思います」

「もっと攻撃に行きたかったというのはあるけど。こういう相手は好きなので僕は楽しかったですよ」

初出場まで待った時間が長かったので、感慨はあったようだ。では、実際にプレーしてみて代表Aマッチはどう感じたのだろうか。

「あんまり変わらないかな。いつもと一緒で変わらないです」

そんな記念の試合がSBだったことはどうだろうか。植田はすっと真顔になって答えた。

「初めてなんで、どうやろうかと思ってましたけど、自分がベンチに座っているときから目の前のSBの動きは見ていたし、出場できないで我慢していた時間も自分にとってはプラスになったと思います。悔しい思いをしながら見ていた時間が、プラスにつなげられたからこそ今日こうやってプレーできたのだと思います」

ではワールドカップ本番でSBをやれと言われたらどうか。

「そりゃやりますよ! どこででも出ます、オレは」

植田はそう言うと、それまで以上の笑顔になっていた。

【日本蹴球合同会社/森雅史】