執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと

おしゃれなパッケージで手軽に購入できるエナジードリンク。その陰には、たくさんの副作用が隠れています。

カフェインの急性中毒で心停止や死亡例が

仕事や家事で疲れていも休めない時、気軽にエナジードリンクを飲むという人も多いはず。手軽に飲めるし、パワーや集中力が続く……という理由からエナジードリンクに依存する人が増えています。また、カフェイン飲料による急性中毒では、死亡例も。日本中毒学会の調査が行った初の全国調査で、カフェインを多量に含む眠気防止薬やエナジードリンクなどの清涼飲料水の急性中毒で、2011年度からの5年間で少なくとも101人が救急搬送されていることがわかりました。そのうち、7人が心停止、そのうち3人が死亡しています。カフェインは、1g以上を摂取すると中毒症状が出るそう。

1本で安全なカフェイン摂取量を超えるものも

欧州食品安全機構(EFSA)が設定した、健康な成人が摂取しても安全といわれているカフェインの量は、体重40kgの人で1回120mg、1日228mgまで。体重60kgの人で、1回180mg、1日342mgまでとされています。コーヒー1杯100mlあたり、約60mgのカフェインを含みます。エナジードリンクの場合、1本22mg〜142mgのカフェインを含有。人によっては1本飲むだけで1回の基準値を超えてしまう場合もあります。

都内の高校ではカフェイン中毒に対する注意喚起も

昨今では、中高生でもエナジードリンクを常飲する子供が増えています。試験や受験勉強をきっかけに飲み始めることが多く、常用者には興奮状態、暴力的になる、頭痛、動悸などの症状がでているそう。子供でもコンビニや自動販売機で手軽に購入できるのも問題のひとつ。都内の高校では、カフェイン中毒に対する注意喚起が行われています。

注意したいエナジードリンクの副作用

主に問題視されているのは、カフェインと砂糖の過剰摂取による作用です。おもに下記の6つが報告されています。

1、睡眠障害

エナジードリンクに含まれる大量のカフェインによって、交感神経を刺激し覚醒させる効果があります。その影響で、逆に眠りたいのに、眠れなくなったり、眠りが浅くなってしまうことも。良質な睡眠がとれないと日中眠くなるため、眠気を払うために、またエナジードリンクを飲むという悪循環にも。

2、不安、パニック発作、倦怠感、便秘、下痢など

カフェインを大量に摂取すると交感神経が刺激され活動的に。その反面、摂りすぎると自律神経のバランスが乱れ、不安、パニック発作、倦怠感、便秘、下痢などの症状が現れます。

3、動悸、イライラ、吐き気、不整脈、過呼吸

カフェインには、心拍数を上げる働きがあります。これにより、動悸が激しくなったりイライラしたり、中には暴力的になる人も。吐き気、不整脈や過呼吸が起こる可能性もあります。

4、肥満

エナジードリンクには、大量の砂糖も含まれています。そのため飲みすぎると糖質過多・カロリー過多になり、余った脂肪は内臓や皮下に蓄えらえるので肥満につながります。

5、暴力的になる、自殺願望

また、砂糖を摂取すると、体はインスリンというホルモンを分泌して、急激に上がった体内のブドウ糖濃度を下げます。すると、下がりすぎた血糖値を正常に戻すために、別のホルモンが分泌されます。それが、アドレナリンとノルアドレナリン。アドレナリンの作用で暴力的になったり、不安感が強くなるほか、ノルアドレナリンの作用で強迫観念が強くなり、自殺願望を抱く人も。

6、低血糖

急激に大量の砂糖を摂取するという行為を日常的に続けると、低血糖という血中にブドウ糖が足りない状態になります。すると、疲労感、動悸、口が渇く、手が震える、感情のコントロールができないなどの症状が。

「疲れた時に飲む」という習慣がある人は、上記の副作用について知ったうえで、量や頻度を考えて飲むようにしましょう。

出典:一般社団法人日本中毒学会