今季国内女子ツアーで活躍した注目選手のスイングから強さの要因を探る“Playback LPGATour2017”。第10回は今季「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で2013年以来4年ぶりとなるツアー優勝を果たした比嘉真美子。フル参戦初年度から2勝を挙げる大活躍を見せるもその後は苦しみ一時はシードまで失った飛ばし屋の新たに手にしたスイングを、上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。
【スイング連続写真】インパクト後の体の前でできる三角形が同調の証
4年ぶりのツアー3勝目を飾った比嘉真美子さんは、スイングを見させて頂いたことがある分、他の選手よりも少し厳しいチェックになりますが、まずアドレスでは、両ヒジを曲げて構えているところが気になります。本人は上体に力を入れたくないからでしょうが、個人的には少しルーズに感じるので、もう少し伸ばしてもいいかなと思います。バックスイングでは、アドレスの位置から右ヒザが少し右サイドに流れる感じがありますが、できればここも流れて欲しくない部分です。ダウンスイングの切り返し以降は一見よさそうですが、体全体が開いていますね。もう少し開きを抑え、体の正面でボールをとらえるようになると、ミート率も上がるはずです。
ただ、以前よりもいいポイントが、左ヒザの形です。インパクト後に突っ張った形になっていますが、昨年まではもっとヒザを伸ばすタイミングが早かったため、ジャンプした状態でボールを打っていました。今は伸ばすタイミングを少し遅くらせたことで、ジャンプして打つ動作がなくなりました。ベルトの位置が低いままボールをとらえています。厳密にいえば、多少はジャンプする動きはありますが、上体が起き上がらなくなった感じです。ジャンプすると手元も上がり、クラブヘッドの下目でボールをとらえがちですが、今は手元がそれほど上がらないのでフェースの芯でとらえる確率が上がったと思います。
ツアーでも屈指の飛ばし屋ですが、ヘッドスピードの速さが飛距離を生み出しています。これは天性のもので、おそらくゴルフクラブ以外のものを振ってもだれよりも素早く振るでしょう。振ることに対しての才能は素晴らしいものがあるものの、それを精度よく振れていないため、昨年までは左右に曲がっていたんだと思われます。
インパクト後の写真を見ると、体の前で三角形をつくっています。自分のヘソとグリップエンドを結び、その先にクラブヘッドがある形は、体の回転とクラブが同調している証拠であり、ヘッドスピードを最大限に上げることができる要因の一つです。できれば、6割の力で振って、今の飛距離を出せるようになると、ショットの安定感が増すでしょう。以前は上体に9割、下半身に1割という力配分でしたが、今はその配分を逆にしようとしています。先ほど説明したリラックスしたアドレスをつくろうとしているのも、そのためです。おかげでトップまでは上体に力みは感じなくなったと思います。
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、藤崎莉歩、小祝さくらなどを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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