ツアー離脱を余儀なくされた強豪ら、錦織は22位に、昨年1位のマレーは16位へ

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2017年シーズンは、「怪我」がひとつのキーワードだったと言っていいだろう。最初に思い浮かぶのはもちろん、錦織圭(日本/日清食品)の手首の怪我によるツアー離脱だが、ほかにも多くの選手らが身体のコンディションを理由に棄権した。

特に、怪我を取り巻く話題としては、ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)がツアーに復帰して旋風を巻き起こした一方で、もともとランキングで上位につけていた選手らにももちろん、大きな影響があった。

そこで今回は、2017年シーズンを振り返り、怪我で離脱した選手の動きに注目したい。

■16位まで後退した元世界1位はコート上での強さを取り戻せるか? - アンディ・マレー(イギリス)

(Photo by Dan Mullan/Getty Images)
※写真は2016年の「BNPパリバ・マスターズ」でのマレー

マレーは年初、堂々たるランキング1位で2017年のシーズンを開始した。今年最初の大会となった「カタール・エクソンモービル・オープン」でも、決勝戦まで進出し、3-6、7-5、4-6で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたものの、準優勝という幸先のいいスタートをきった。

その後も、「ドバイ・デューティフリー・テニス選手権」で優勝してタイトルを獲得したほか、「バルセロナ・オープン」でベスト4、グランドスラムの「全仏オープン」でも準決勝進出(ワウリンカに7-6(6)、3-6、7-5、6(3)-7、1-6で惜敗)してベスト4入りするなど、順当に上位進出をしてきた。

ただシーズンの折り返し点を過ぎたころからにわかに雲行きが怪しくなる。「ウィンブルドン」では、準々決勝で敗退すると、「ロジャーズ・カップ」と「ウェスタン&サザン・オープン」を臀部の故障で欠場すると、「全米オープン」への出場も見合わせ、結局、2017年のシーズン末までツアーを離れることになった。

ランキングも、年初には1位で8月まで同ランキングを維持していたものの、ツアー離脱が響き、現在では16位まで後退した。2018年シーズンは年初に行われる「 ブリスベン国際」から復帰する予定で、円滑な復帰が期待される。

■強烈な片手バックハンドはまた見られるか? - スタン・ワウリンカ(スイス)

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)
※写真は「全仏オープン」でのワウリンカ

ワウリンカも2017年のシーズンは半ばまでしか、参戦できなかった。今シーズンの初戦となった「ブリスベン国際」では、準決勝まで進出し、錦織と対戦。結果は、ワウリンカが6(3)-7、3-6で負けることになったが、ベスト4という上位への進出を果たした。

「全豪オープン」でも、同選手は、準決勝でフェデラーに負けるまで勝ち上がったり、 「BNPパリバ・オープン」で決勝戦で再びフェデラーと対戦するといった活躍を見せた。クレーシーズンの多くの大会では上位への進出はなかったものの、「全仏オープン」では、ファイナリストになり、準優勝(ナダルに敗退)という成果をものにした。

ただ、「ウィンブルドン」では、初戦でダニール・メドベデフ(ロシア)に4-6、6-3、4-6、1-6で敗れ、その主な原因は膝の痛みだったとされている。ワウリンカは膝の治療に専念するため、「全米オープン」前に残りシーズンを欠場することを発表。2018年シーズンへの復帰を目指しているところだ。

ランキングでも、ワウリンカは離脱の影響で低下傾向にある。年初の1月2日付けでは、4位だったところ「全米オープン」の終了直後となる9月に入ってからは、8位そして9位となんとかトップ10にとどまっているところだ。

現状では、すでに復帰へ向けて動き出しており、年末にアブダビで行われる「ムバダラ・ワールド・テニス・チャンピオンシップ」でコートに戻る予定のほか、「全豪オープン」への出場を目指している。多くの有力選手がカムバックを目指して復帰してくる2018年にどこまで優れた成績を残せるか追いかけてよさそうだ。

■怪我の苦しみからの復活はなるか - ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)

(Photo by Minas Panagiotakis/Getty Images)
※写真はロジャーズ・カップでのラオニッチ

ラオニッチも怪我に苦しんだ1年だった。最も印象に残っているのが、左手首の手術を理由にした「全米オープン」の欠場だろう。怪我で四大大会の参戦を見送った選手の一人だ。

ただ、2017年に、ラオニッチは出場した大会では、上位へ進出するなど、目立つ結果を出してもいる。「ブリスベン国際」では、優勝者となったグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に負けてしまったものの、ベスト4入りを果たしたほか、「全豪オープン」では準々決勝まで勝ち上がった。

ほかにも、シーズン前半には「デルレイビーチ・オープン」や「 TEB BNP パリバ イスタンブール・オープン」で、いずれも準優勝するなど、見るべき成績も残した。

ただ、「ウィンブルドン」での準々決勝への進出を最後に、2017年シーズンの結果は振るわなかった。その後、「全米オープン」欠場のあと、「楽天ジャパンオープン」で一時的に復帰するなどしていたが、途中棄権する結果になり、現在は復帰を目指している。

■手首の怪我からは復調の兆しを見せる - 錦織圭(日本/日清食品)

2017年「全豪オープン」での錦織圭
(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

もちろん錦織も怪我で、2017年を無念なシーズンにしてしまったのかもしれない。8月上旬、「全米オープン」の直前に行われる「ロジャーズ・カップ」への出場を最後に、今年は大会に出場しておらず、2011年以来となるタイトルなしとなった。

比較的に短いシーズンとなってしまった2017年だったが、錦織にはいい場面もあった。年初から「ブリスベン国際」で惜しくも優勝を逃すものの、決勝戦へ進出すると、「全豪オープン」でも優勝したフェデラーを相手に4回戦で善戦するなど、活躍を見せる。

また、「アルゼンチン・オープン」でも決勝戦へ進出すると「ジュネーブ・オープン」でも準決勝に入りベスト4入りする。さらに「全仏オープン」ではマレーにベスト4への進出を阻まれたものの、上位勢に顔を出した。

また「シティ・オープン」でフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を3回戦で破って上位への道を拓くと、準決勝まで進出。いつにも増して強打を連発していたアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)には3-6、4-6で完敗するものの、ベスト4に名を連ねた。

最近では、錦織はベースライン付近でラリーをする動画を、自身のアプリで公開するなど、順調に回復に向かっている様子だ。

現在は、怪我の影響でランキングも22位まで後退してしまっているものの、2018年の復帰後にまた上位に食い込めるかどうか、見守りたい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は左からマレー(Photo by Dan Mullan/Getty Images)、ワウリンカ(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)、ラオニッチ(Photo by Minas Panagiotakis/Getty Images)、錦織(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)