インディアンスのヤン・ゴームズ【写真:Getty Images】

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「スポーツ界の名珍場面総集編」…10月にMLBプレーオフで起きた仰天の“二塁送球”

 2017年のスポーツ界を沸かせた名シーンを連日にわたって振り返る「名珍場面2017」。今回は10月の米大リーグ(MLB)のポストシーズンで起きた「鬼肩捕手の“座ったままバズーカ”」。延長戦にもつれ込んだ熱戦で、捕手が座ったままの二塁けん制を投じ、リプレー検証の末にアウトにする超ファインプレーが炸裂した。二塁送球は「1.7秒」をマーク。そんな驚愕のシーンを「MLB Replay」公式ツイッターが動画付きで紹介し、ファンに衝撃が広がった。

 全米が一瞬、あっけにとられた。まるでマンガのような、仰天の“鬼肩”で「1.7秒バズーカ」を発動させたのは、インディアンスのヤン・ゴームズ捕手だ。

 10月6日(日本時間7日)の地区シリーズ第2戦、ヤンキース戦。8-8で迎えた延長11回、無死二塁のピンチだった。勝負をかけたヤンキースは代走トレイエスを送り、打席には1番ガードナー。その初球。右腕アレンの変化球に対し、ガードナーはバントの構えを見せた。しかし、外角に外れ、バットを引いた。次の瞬間だった。

 ゴームズは二塁走者のリードが大きいと見て、けん制を試みた。しかし、ミットにボールが収まると、立ち上がる素振りを見せない。なんと、左膝を突いたまま投げたのだ。そして、バズーカのような送球はベースに入った遊撃手リンドーアにストライク送球。頭から滑り込んで戻ったトレイエスの背中にタッチされた。

一度はセーフ判定に悔しさあらわも…直後、リプレー検証でアウトの急展開

 予期せぬプレーに本拠地は絶叫に包まれた。しかし、二塁塁審の両手は横に広がり、捕手のゴームズはようやく立ち上がって悔しげにポンとジャンプした。ただ、ドラマはこれで終わらない。あまりに際どいタイミングに審判団はリプレー検証を実施。そして――。判定は覆り、アウトになったのだ。

 数分前に負けない熱狂が巻き起こったスタジアム。何よりもゴームズが凄いのは、ボールを捕球してから遊撃手に収まるまで、わずか1.7秒で投じている。通常、2秒を切れば、強肩と言われる世界。この数字は驚異的だ。しかも、プレーオフの大一番の延長戦、悪送球すれば進塁を許し、ピンチが拡大する場面で完璧なストライク送球を演じているから、価値はさらに高まる。

「1.7秒の衝撃」を「MLB Replay」も公式ツイッターで動画付きで紹介。バックネット裏からのスローモーション再生では二塁まで送球が垂れることなく、正確にコントロールしていることが見て取れる。実際に映像を見たファンにも驚嘆の声が広がっていた。

 バントを決められていたら1死三塁の勝ち越し機となっていた場面を走者なしに変え、この回、無失点。すると、延長13回無死二塁から左前へサヨナラ打。紛れもなく、この夜のMLBのヒーローだった。チームは惜しくも地区シリーズで敗退したが、アストロズが世界一となったポストシーズンでも屈指の名プレーとなった。