txt:岩沢卓(バッタネイション) 構成:編集部

今注目に吹田スタジアムのシステム構築とは

2016年にオープンした「市立吹田サッカースタジアム」は、40,000人収容の大規模スタジアムで、Jリーグ「ガンバ大阪」の本拠地である。520インチの大型ビジョンを2面設置、フィールド内照明のオールLED化・太陽光発電など最新の設備面でも注目を集めるスタジアムの映像演出システムについて取材を行った。

株式会社サニーサイドおおさか
制作技術 主任 笠原純一氏

笠原氏:全体のシステムは、パナソニックさんが構築されています。一部4Kにも対応するかたちでカメラ・スイッチャーなどの導入を行いました。そのシステムのなかで、CMや選手紹介などの映像素材の送出用としてローランドPR-800HDを使用しています。


導入のきっかけは、いろいろな現場で見かけたこと

笠原氏:PRシリーズは多くのコンサート会場などで見かけることもありましたので、今回のシステム構築にあたり、いくつかの機材を検討するなか、知り合いのエンジニアに操作性や安定性なども聞いた上で、PR-800HD選択をしました。

重要なのは安定性

笠原氏:現場で即時対応するというよりは、事前に用意した素材を確実に安定して大型ビジョンで再生することが求められているので、そういう意味では今までトラブルなく運用できています。

現場でのオペレーションは、キーボード中心で行っています。表示も見やすいですし、いままでのPRシリーズから続くインターフェイスも迷うことなく、使いやすいです。PCベースのインターフェイスなので、スタジオモニターラックに組み込むと、タイムコードの表示が小さいのがちょっと気になるところではありますね。

520インチに表示される内容は多様

笠原氏:大型ビジョンの役割は多岐にわたるので、例えば災害時の情報など全体のシステム自体に組み込まれていることもあります。必要な情報を迅速に出すという意味では、静止画素材はPCから直接表示するようにして、PR-800HDは動画素材専用という使い分けをしています。扱えるファイルタイプが多いとしても、業務フローのなかで分けるべきところは分けるように組んでいくことが大切だと考えています。

リモートボタンの活用

笠原氏:ゴールなどの際には、遠隔ボタンで再生スタートできる仕組みを整えています。再生ボタンだけを物理的に切り離すことで、ゲーム中の動きを実際に見ているディレクターなどの判断で、ジャストのタイミングで再生をさせることができるようになっています。

スタジアムのなかで、映像音響は演出面でも重要になっていますので、タイミングよく再生スタートできる仕組みは大事ですね。