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●AGAの症状や主な脱毛パターン

あれ、髪の毛少なくなってない……?

自身の毛髪に悩みを抱いている中高年は少なくない。とりわけその中でも多いトラブルといえば「薄毛問題」だろう。若かりし頃はフサフサで、おしゃれに見えるようにさまざまなアレンジができていた髪が、徐々に少なくなっていくのを目の当たりにするのはつらいことだ。

近年は、男性に特有の脱毛症・AGAという言葉の認知度も徐々に高まりつつあるが、その詳細まできちんと把握している人は少ないはずだ。そこで今回、美容皮膚科・美容外科・形成外科のやながわ厚子医師に「AGA」についてうかがった。今は何の問題もない20〜30代の男性も、将来薄毛で悩まないでいいよう、参考にしてみてほしい。

○20歳代後半から30歳代半ばでAGAを発症

――AGAの具体的な症状と発症の原因を教えてください。

AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略語で、日本では「男性型脱毛症」と言われています。頭髪がだんだんと薄くなるという進行型の脱毛症で、平均的には20代後半から30代半ば以降に発症します。年齢が高くなるにつれて多くなってきますが、20代前半から発症するケースもあります。

「男性型」というだけあって、男性ホルモンの影響により起こると言われています。髪の毛の根本にある毛乳頭細胞にある「アンドロゲン受容体」に、男性ホルモンが結合することで男性型の脱毛症を引き起こすと考えられています。

毛周期のサイクルが短くなることで毛の成長期の期間が短くなり、十分成長しないうちに毛根が途中で抜け落ちてしまいます。髪の毛として生えている期間が短いため、見た目に生えている毛が少なく、成長も悪くて細い毛になります。

――一般的によくみられるAGAの脱毛パターンはどういった感じなのでしょうか。

まずは生え際が後退していきます。特にアルファベットの「M」の形のように後退していくパターンが一般的ですね。頭頂部も毛が細くなり薄くなっていくことが多く、生え際と頭頂部のいずれか、もしくは両方に症状が出現します。頭皮は脂っぽく、抜け毛が増えるなどの症状もあります。

●AGAを招きかねない生活習慣

――私も平均的な発症年齢に該当するため、注意深く髪の毛を観察していきたいです……。ところで、AGAになりやすい人の特徴はあるのでしょうか。

AGAの発症はライフスタイルなどの後天的な要因よりも、遺伝性の要素が強く関わっていると言われています。その主たる原因は「ジヒドロテストステロン」と呼ばれる男性ホルモンにあります。このホルモンが多量にあると、毛乳頭にある男性ホルモン受容体と結合しやすくなりその結果、毛髪の毛周期が乱れてしまいます。すると毛髪の成長期が終了してしまうため、成長しきれないまま細い毛髪になってしまい、抜けるのも早いので薄毛になります。

生活習慣などで悪化する後天的な要因としては「喫煙」「食生活の偏り」「ストレス」なども影響すると考えられます。頭皮の血流が悪くなることで毛根の栄養状態が悪くなりますし、直接的には過度なブラッシングやマッサージ、皮膚に合わない整髪料なども原因となりえます。

○AGAの治療の基本は内服薬

――仕事の都合上、食生活の偏りとストレスへの意識付けをきちんとしていきたいです。万一発症してしまったら、どのような治療を受けられるのでしょうか。

AGAの治療の基本は内服薬です。男性ホルモンの「テストステロン」をジヒドロテストステロンへと変化させてしまう「アンドロゲン代謝関連酵素II5αリダクターゼ」の働きを阻害してくれるフィナステリドの内服をお勧めしています。

ただ、フィナステリドを内服して効果が出るか否かは個人差があるため、その有効性を調べる検査もあります。この検査によって、AGAのなりやすさや男性型治療薬の効きやすさがわかります。

外用剤では、ミノキシジルは毛根の血流を改善させる効果などにより、発毛効果があるとされています。そのほかでは、選択的に毛根を活性化させるペプチド因子の注入製剤などを頭皮に注入することで直接毛根に働きかける「注入療法」と呼ばれる治療法もあります。最近はいろいろな製剤が出てきていますので、選択の幅も広がっていると言えます。

さらに植毛というアプローチもあります。さまざまな発毛・育毛治療を行っても効果が得られない場合は、側頭部や後頭部などアンドロゲン受容体の影響の少ない毛根を移植する治療もあります。

まずは毛根によりよい生活習慣、そしてホームケアでの育毛剤、シャンプー、正しい知識に基づいた適度な頭皮のマッサージなどで進行を予防していきましょう。気になるようでしたら、早い段階で医師にご相談されることをお勧めします。

※写真と本文は関係ありません

○取材協力: やながわ厚子(ヤナガワ・アツコ)

美容皮膚科・美容外科・形成外科。En女医会所属。

美容皮膚科クリニック ヤナガワクリニックの院長を務める美容のエキスパート。

美容医療や化粧品やに詳しく新しい美肌治療や化粧品や食事やサプリメントもふくめてカラダの中からも美肌を目指す。二児の母でもある。

En女医会とは

150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。