あれもしないと、これもしないと、と仕事が山積になっていると、なんとか同時に片付けようと考えてしまいがち。実際にそうやって異なる仕事を並行して行っている人もいるのではないでしょうか。しかしそういった仕事のマルチタスクは、様々な弊害があることで知られています。効率よくするためのマルチタスクが実はタイムロスになっていることも。ここではマルチタスクの弊害について考えてみましょう。

あなたもやりがちなマルチタスク

「私は器用じゃないから、マルチタスクは無関係」と思う人も多いようですが、そんなことはありません。例えば同僚や取引先と電話で連絡しながらパソコンの入力作業を行う、ランチを食べながらフェイスブックやツイッターの投稿作業を行う、度々メールチェックをしながら文書作成を行う、といったことも立派なマルチタスクで、このような行為を無自覚に行っているとしたら要注意です。一見いずれのタスクも「ちゃんと」こなしているようにも思えますが、マルチタスクをしている時、あなたの脳には大きな異変が生じているのです。

マルチタスクがパフォーマンスの著しい低下を招く

マルチタスクを行っているときのわたしたちの脳では、複数の情報を適切に処理していくため、どれを優先させるか、切り捨てるかの取捨選択の作業が行われています。通常のシングルタスクではこの取捨選択の作業に費やされることは無いので、問題なく作業は進行していきますが、マルチタスクの場合は行うべき作業とは別に取捨選択の作業にも脳の力が費やされるため、結果的に作業効率は落ちてしまうのです。例えばふたつのタスクをこなす場合、通常の50%のパフォーマンスでそれぞれが進行していくと思われますが、実際の脳のパフォーマンスは80%〜95%も低下する傾向にあるようなのです。ロンドン大学精神医学学科の研究チームによれば、Eメールや電話によって気を散らされたビジネスマンのIQは著しく低下し、数値で表すとマリファナを吸引したときの約2倍も低下している、と報告しています。マルチタスクがいかに脳のパフォーマンスを著しく低下させているかがわかりますね。

効率が悪いどころか脳にダメージが及ぶ

多少仕事の効率が落ちようとかまわないよと思われるかもしれませんが、マルチタスクの弊害はそれだけではないのです。マルチタスクを行っている人の脳内では、前頭極という部位に通常以上に負荷がかかっています。更にマルチタスクを行っていると、脳機能の損傷を招くストレスホルモンが分泌されることがわかっているようです。

ある学者によれば、最悪健康問題を引き起こし、短期記憶の損傷の原因となる、とまで指摘されています。マルチタスクはパフォーマンスが低下するどころか、脳にダメージが及ぶ原因となってしまうわけ。頭を使う作業においてはマルチタスクではなく、ひとつひとつをこなしていくシングルタスクにて作業を行ったほうが良さそうです。関連の(集中力を高めたいなら実践してほしい3つのこと)も要チェックです。


writer:サプリ編集部