前半5分、MF長沼洋一の先制ゴールを喜ぶU-20日本代表

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[12.9 M-150杯 U-20日本代表 4-0 U-22北朝鮮代表 タイ]

 11日、森保一新監督を迎えて「東京五輪代表」として新たなスタートを切ったU-20日本代表の初めての対外試合として臨んでいるM-150杯2017の第2戦が、タイ・ブリーラムにて開催された。地元・タイとの開幕戦で黒星を喫していた日本だが、この日は立ち上がりからU-22北朝鮮代表を圧倒してのゴールラッシュ。FW上田綺世(法政大)による2得点などで4-0の白星を飾った。

 この日の日本は第1戦からDF麻田将吾(京都)を除く先発メンバー10名を刷新。MF渡辺皓太(東京V)が負傷による別メニュー調整を続けていることを思えば、実質的には最大限の入れ替えとなった。GKにはオビ・パウエル・オビンナ(流通経済大)、3バックには右から大南拓磨(磐田)、立田悠悟(清水)、麻田が並び、ボランチには針谷岳晃(磐田)と井上潮音(東京V)、両翼に長沼洋一(山形)と浦田樹(北九州)が入り、2シャドーには宮崎幾笑(金沢)と平戸太貴(町田)。そして1トップには上田が入った。

 森保ジャパン初陣となったタイとの第1戦では、試合の入り方で後れを取った印象もあったが、この日は違った。「みんなで『絶対に勝つ』と言い合っていた」と言う針谷は、「でも、そんなに気負うことなかった。試合にもしっかり入れた」と振り返る。序盤からこの針谷と井上の技巧派ダブルボランチを軸に主導権を握ると、5分には相手CKに対するロングカウンターアタックから一気の攻勢。最後は針谷のスルーパスに抜け出した長沼が落ち着いてGKの位置をしっかり見極めたシュートを決め、先制点を奪い取った。

「カウンターで、走る部分では得意なので、相手に走り勝って、いいボールが来て、良いコントロールができて、落ち着いて流し込むことができたので、自分の中ではベスト(のプレー)だったと思います」

 殊勲の長沼がそう言って胸を張ったように、森保監督が合宿当初から意識させてきた、選手個々の特長が噛み合うことで生まれた見事なゴールだった。

 こうなると試合のペースは完全に日本。主要メンバーが不在の北朝鮮も個々の意欲は感じさせたが、まるでチームとして噛み合っておらず、急造ながらまとまりを見せる日本とは対照的だった。コンディション面でもタイに入って日が浅い北朝鮮側が対応し切れていないのは明らか。15分に浦田のクロスから上田が頭で決めて2点差とすると、早くも試合の流れは決定的となった。

 日本は20分と25分にも相次ぐ決定機があり、北朝鮮のチャンスは27分のFKからの1本のみ。37分にはシュートのこぼれ球を拾って展開する二次攻撃で、浦田のノールックパスから裏へと抜け出した平戸の折り返しを井上が冷静に決めて、3-0。さらに後半11分にもCB立田からの縦パスを受けた宮崎がワンタッチで落として、針谷がこちらもワンタッチのスルーパス。裏へと抜けた上田がDFとの競り合いを力強く制しながらのシュートを決め、4-0での大量リードとなった。

 このあとはラフプレーが増えてきた相手に対して、無理することなくしっかりポゼッションしながら対応。2人が退場していった北朝鮮に対して、熱くなり過ぎることもなく試合を終わらせ、新チームとしての初白星を飾った。森保監督は「相手のコンディションのことを割り引いて考えないといけない」と勝って兜の緒を締めつつ、「選手たちは勇気を持ってトライしてくれた」とタフかつクレバーに戦い抜いたことに賛辞を贈った。

 一方、ゲームキャプテンを務めた浦田は「前の試合でタイに負けていたので、2連敗でこの大会を終えるのではなく、次につなげたいと思っていた。難しい状況でしたが、みんなで集中して一丸となってやることができた」と、プレッシャーのかかる状況での勝利という結果に安堵の言葉を漏らした。

 15日に行われる試合が3位決定戦となるか決勝戦となるかは13日に行われるタイと北朝鮮の試合結果次第となるが、「とりあえず連勝して終わることが大事。次の試合で得られることもたくさんあると思う。日にちも空くので、コンディションも上がってくると思うので、一番楽しみな試合になると思います」(浦田)と、チーム全体のムードが上がってきたことを感じさせる言葉で試合を総括してみせた。

(取材・文 川端暁彦)
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