三代目JSB、G-DRAGON、赤西仁……優れたトラックメイカーのサウンドが楽しめる新作

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 ポップスを聴く場合、どうしても歌詞とメロディに耳がいってしまうことが多いと思うが、トラックを意識してみることで、まったく違った魅力を感じられることもあるはず。そこで今回は、優れたトラックメイカー、リミキサーが参加した新作を紹介。刺激的かつ実験的なビート、アレンジ、サウンドメイクをじっくりと楽しんでほしい。

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■三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE『J.S.B. HAPPINESS』 最先端のテクノロジーを駆使した演出(巨大なビジョン、映像のクオリティが高い!)、三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの生々しい肉体性をリアルに体感できるパフォーマンスが存分に楽しめる全国ツアー『三代目 J Soul Brothers LIVE TOUR 2017 ” UNKNOWN METROPOLIZ”』が続くなか、ニューシングル『J.S.B.HAPPINESS』が到着。同曲は、EDM経由の煌びやかなトラックとエモーショナルなメロディ、“幸せは見かけだけじゃ測れない”というメッセージを込めた歌詞がひとつになったミディアムチューンだ。特筆すべきはシングルに収められたPKCZ®による3曲のリミックス。“DREAM”“LOVE”“HAPPINESS”とそれぞれタイトルされたトラックは、PKCZ®とともにドーム全体をクラブ状態へと導く三代目のパフォーマンスと直結している。

■G-DRAGON『KWON JI YONG』(ミニAL+スマプラミュージック) 北米、オーストラリア、ヨーロッパ、日本など全世界29都市36公演で開催されたG-DRAGONにとって2度目のワールドツアー『Act III, M.O.T.T.E』。そのステージで披露された新曲をコンパイルしたのが本作『KWON JI YONG』だ。現在の西海岸ヒップホップのトレンドを取り入れた「Act l. BULLSHIT -KR Ver.-」、生のバンドサウンドと打ち込みのビートを共存させた「Act ll. SUPER STAR -KR Ver.-」など、トラックの質の高さにまずは耳を持っていかれる。そのなかで綴られるリリックは、本名を冠した『KWON JI YONG』というタイトル通り、彼自身のキャリア、生き様、現在の心境が生々しく反映されている。トラックの質感、歌詞を含め、G-DRAGON(≒クォン・ジヨン)の姿がもっともリアルに描かれた作品と言えるだろう。

■赤西仁『Blessèd』(通常盤) ソロデビュー時から、常に海外のシーンを視野に入れたクリエイティブを続けてきた赤西仁。自身のレーベル<Go Good Records>と<ユニバーサルミュージック>の提携による本作『Blessèd』は、ネオソウル、オルタナR&B、トロピカルハウスなどのテイストを取り入れたトラック、全編英語詞によるリリック、抑制の効いたボーカルが自然に融け合う充実作となった。ジャスティン・ビーバー、ブルーノ・マーズとの仕事で知られるプロデューサーチーム“Stereotypes”が提供した「Fill Me Up」「Yesterday」も収録されているが、単なる洋楽のトレースではなく、日本的な抒情性を滲ませるフロウによって、独自のポップミュージックへと結びつけているところが彼の才能だろう。

■坂本龍一『ASYNC - REMODELS』 “asynchronization=非同期”をメインテーマにした坂本龍一の8年ぶりのオリジナルアルバム『async』の楽曲を国境、ジャンルを超えたアーティストたちがリミックス、坂本龍一自身がプロデュースを手掛けた作品『ASYNC - REMODELS』。映画『GOOD TIME』のサウンドトラックを手がけたOneohtrix Point Never、ビョークとのコラボレーションで知られるアルカ、日本からはコーネリアス、さらに日本盤ボーナストラックには空間現代が参加。当然、トラックによってサウンドの方向性、コンセプトはまったく異なるが、現代音楽、ノイズ、ミニマルミュージックなどを自在に行き来するような感覚は、“音楽とは何か?”という根本的なテーマへとナチュラルに帰結していくはず。哲学的な思考を巡らせながら、じっくりと時間をかけて堪能してほしい。

■Ovall『In TRANSIT [Deluxe Edition]』 Shingo Suzuki(Ba)、mabanua(Dr)、関口シンゴ(G)によるバンドプロジェクト、Ovallが4年ぶりに再始動。全員がプロデューサーであり、トラックメイカーであり、優れた演奏家である3人のケミストリーの結晶とも言える本作『In TRANSIT [Deluxe Edition]』は、ロバート・グラスパー、フライング・ロータス、カマシ・ワシントン、シャイ・マエストロあたりの現代的なジャズ、R&B、ヒップホップと重なりながら、“有機的なテクノロジー”と呼びたくなるような手触りのサウンドを描き出すことに成功している。DISC2には、grooveman Spot、RLP、45 a.k.a. SWING-Oといった気鋭のクリエイターたちのリミックスを収録。ジャンルを超越した、刺激的な解釈によるトラックを堪能できる。(森朋之)