私にも小麦カットが必要? グルテンフリーについて知りたい

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グルテン=小麦ではない

糖質制限と並んで耳にすることが多くなった「グルテンフリー」。ハリウッドセレブがダイエットに成功したことで人気に火がつき、アメリカでは3割の人が試すべきと考えているとか。テニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチ選手がその効果をまとめた書籍を出版したことで、日本でも認知度が急上昇しています。

グルテンとは小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種。麺類やパンなど、小麦加工品を作る上で弾力や柔軟性をつけ、膨張をサポートする働きがあります。

グルテンへの過剰反応によって体調不良を起こすセリアック病患者のために開発された、グルテンを除去した食事を「グルテンフリー食」と呼びます。日本では患者数が少ないとされていますが、欧米化する食生活で今後増える可能性も考えられます。

グルテンフリーダイエットは、このグルテンを避けながら日々の不調を緩和し、同時に適正な体重にしていくもの。加えて、腸内環境を整え、美容やアンチエイジング効果も期待できると言われています。でも、健康な人が実践して何らかの効果があるという科学的根拠は、実はないのです。

日本人はグルテンフリーダイエットでは痩せられない?

では、グルテンフリーがダイエットに効果的という説はどうでしょうか。欧米人が食事で取る糖質のほとんどは、小麦。さらに小麦は糖質の量を示すGI値が高いため、欧米の人がグルテンフリーを実践すると、糖質制限をしていることと同じになります。また、パンに含まれるバターなどの脂肪や砂糖も摂取量が減るため、痩せる一因にはなり得ます。これが、ダイエット効果があったとされるからくりです。

グルテンフリーでも糖質たっぷりのものも多く、糖質が高めのご飯やジャガイモを大量に摂取してしまえば、当然体重が減ることはありません。

また、グルテンフリーフードにも落とし穴が。例えば、グルテンフリーの表示がついているのに、ふわふわのパンに出会ったら要注意。パンに弾力を与えるグルテンを抜いてパンを製造する場合には、食感を通常のパンに似せるために食品添加物やコーンスターチを配合する場合が多いのです。小麦本来の甘みや旨味を補うため、砂糖や脂質をより大量に使用していることも!

主食の違う欧米人と私達日本人は、影響されるものも異なる可能性が大。グルテンへの意識を高めるより先に、日々の食生活を改善する方法から考えてみたほうがよさそうです。

 

ライター:幸雅子
出典:『ヨガと食事』/「ウワサの気になる食品はどうやってつき合えばいい?」
監修:川端理香(管理栄養士。元日本オリンピック委員会強化スタッフ。オリンピックチームやプロサッカー選手などアスリートの栄養・食事指導、一般を対象にした講演なども行う。)