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●もはや四角いクルマではない、新世代ボルボに高評価

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーはボルボのSUV「XC60」が受賞した。輸入車がイヤーカーに選ばれるのは2013年のフォルクスワーゲン「ゴルフ」以来、2度目。当然ながらボルボにとっては初の受賞だ。この結果の受け止めについて4人の選考委員に話を聞いた。

○選択と集中で示す新しいボルボ車の姿

「XC60」はボルボがプレミアム・ミッドサイズSUVと位置づけるクルマで、受賞したのは2代目となるモデル。日本では2017年10月に発売となった。

ボルボは創業当初から安全性を全てに優先させてきたメーカーだが、そのDNAは残しつつも、イメージを変えてきているのが最近のボルボ車だ。四角くて頑丈なイメージは少し前の話。フォード傘下入りから中国資本へという最近の動きの中で、ボルボが進めたのが「選択と集中」であり、デザインも以前とは変わってきている。

では、ボルボが進めた「選択と集中」とは何か。それは例えば、車種をセダンの「S」、ワゴン/クロスカントリーの「V」、SUVの「XC」の3つに絞り、それぞれに小さいほうから「40」「60」「90」とサイズ別のモデルを設定しているシンプルなラインアップであったり、クルマが違ってもエンジンを2.0L直列4気筒までしか作らないと決めている姿勢などから見てとれる。「スカンジナビアン・デザイン」をうたう新しいデザインは画像の通りだが、以前のボルボに比べれば丸みを帯びてきているのが一見して分かる。

それでは、ボルボ「XC60」が日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞できた要因はどの辺りにあるのだろうか。授賞式で聞いた選考委員の方々の話をもとに考えてみたい。

●ボルボは「スウェーデンのレクサス」になった?

○選考委員から満遍なく点数を集めた「XC60」

XC60が受賞した要因は「選考委員が満遍なく点数を入れたこと」と語るのはモータージャーナリストの岡本幸一郎氏だ。輸入車勢がトップ2を占めた今回の選考結果には岡本氏も驚いたというが、日本勢への採点がばらつく一方で、確かにXC60は着実に得点を伸ばしていた。

XC60に乗った印象を岡本氏は、「クルマの出来はいい。将来を見据え、軽量化であったり、2.0L以下のエンジンしか載せないことであったり、電動化であったりと、新しいものは取り入れている。デザインも(これまでの)アグレッシブな感じからエレガントになった」と評価する。

こういった新世代ボルボの考え方は、実は昨年の日本カー・オブ・ザ・イヤーで4位につけた「XC90」でも採用となっていたそうだが、XC90はサイズが大きくて高価でもあるため、XC60は「普及するクルマ」として評価を集めたのでは、というのが岡本氏の感想だ。

選考委員を務めたモビリティジャーナリストの森口将之氏も、「新世代ボルボの魅力が多くの人に伝わったのでは」と評価する。モータージャーナリストの清水和夫氏はXC60を「いいクルマ」だとし、高級路線の新世代ボルボを「スウェーデンのレクサス」と独特の言い回しで表現していた。

モータージャーナリストの御堀直嗣氏も、新世代ボルボの方向性に良い印象を持っている1人だ。XC90で採用したデザインやPHV(プラグインハイブリッド)技術などを、ひとまわり小さいサイズのXC60にも拡大したのはボルボの「進化」と受け止めているという。

○次は「XC60」より小型のSUVが登場

イヤーカーに輝いたXC60に対し、話を聞いた4人の選考委員は軒並み好意的な評価を下していた。そうなると注目したくなるのが、ボルボから登場する予定となっている新型SUV「XC40」の売れ行きだ。

岡本氏によると「XC60は世界で最も売れているボルボ車だが、日本では3番目。日本で最も売れているのは『V40』」であるとのこと。日本では小型のクルマの方が受けるとすれば、ボルボのSUV「XC」シリーズで最も小さいXC40が、日本でXC60より好成績を残しても不思議ではない。XC60の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞がXC40の販売に追い風となるのも間違いなさそうだ。