会見する東入来会長兼CEO

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 経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)にとって、2017年は激動だった。3期連続の当期赤字を受けた経営陣の刷新、工場再編や約3700人の削減を含む構造改革の決定、そして資本増強に向けた外部との連携模索。6月に就いた東入来信博会長兼最高経営責任者(CEO)は、短期間で抜本的な経営再建策を打ち出した。ただし市場の有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)シフトは待ったなしの状態。多難な前途は続く。

 構造改革を発表した8月、東入来会長は「最後のチャンス」と繰り返した。主要顧客の米アップルの有機EL採用で、液晶出荷が大幅に減少。17年度の売上高は15―25%減る見通しだ。かつ構造改革に伴う1700億円の特別損失計上で、4期連続の当期赤字は免れない。

 目下の課題は、19年度を予定する有機ELの量産化だ。実現には3000億円規模の調達が必要との見方だが、昨年末に「最後の」資金支援をひねり出した筆頭株主の産業革新機構の支援はもう望めない。京東方科技集団(BOE)やチャイナスター・オプトエレクトロニクス・テクノロジー(CSOT)といった中国パネルメーカーを中心に、資本交渉を進めている。

 JDIの大島輶宣最高財務責任者(CFO)は「技術力を評価してもらえる所と、ウイン―ウインでやりたい」と話す。しかし額の大きさに加え生産拠点のあり方など、条件は複雑。「そんなに簡単に進むものではない」(関係者)。

 一方、革新機構の債務保証と引き換えに確保した、主力銀行からの1070億円の融資枠により資金繰りは「問題なく回っているようだ」(主力行幹部)。最低限の構造改革と運転資金、社内の経営改革と、多層にまたがる問題は一つずつ解決しつつある。