唸るライオン

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産後、両親や義両親、夫など身近な人が赤ちゃんに近寄るだけで、我が子を取られたような気持ちになってイライラしてしまう…。そんな経験はないでしょうか?

女性が出産後に気性が荒くなる現象を、子を守る動物が「ガルガル」と唸ることになぞらえて「ガルガル期」と呼ぶネットスラングも生まれているのだとか。それほどに、産後の女性のイライラはママたちにとって身近な問題なのです。

東京未来大学こども心理学部講師で臨床発達心理士の横畑泰希先生に産後女性の「ガルガル期」について聞きました。

優しい身内にまでイライラ…。私が体験した「ガルガル期」

赤ちゃんを産んだ後、わけもなくイライラして身近な人にきつく当たってしまったり、赤ちゃんを触らないでほしいと感じるという「ガルガル期」。どうしてそのような感情が芽生えてしまうのでしょうか?

「動物の雌は出産後に自分の子どもを守るために攻撃性が強くなると言われています。人間もやはり動物ですので、出産後に攻撃性が強くなるのは不思議なことではありませんよね。また、産後の女性は身体的な変化も大きいですし、ホルモンバランスの乱れもあって、メンタルが不安定になりがちです。通称『ガルガル期』の時期や期間は人それぞれ違いますし、『ガルガル期』がまったくない人もいます」(横畑先生)

そこで、実際に「ガルガル期」を経験した女性に当時のエピソードを聞いてみました。

「不安感と嫉妬心が強くて、我が子を自分の手で守らなければとギラギラしていました。とくに義母に娘を抱っこされるのがものすごい嫌悪感。抱っこを代わってあげるから他の部屋で休んでていいよと言われても、赤ちゃんから目が離せなくてドアの隙間からこっそり監視してました」(ゆーみんさん/29歳)

「里帰り出産をして実母が赤ちゃんのお世話を手伝ってくれたのですが、アドバイスが余計なお世話に思えてしまい、『この子のことを一番よくわかってるのは私なんだから口出ししないで!』と始終イライラ。好意でやってくれることに対して苛立ってしまうのは、自分自身も苦しかったです」(ライチさん/33歳)

「夫の祖母が泊まり込みで産後のお手伝いに来てくれました。夕飯の時、魚の骨を指でつまみながら食べていて、そのまま手を洗わずに娘のほっぺをツンツン…やめてー!触らないでー!って心の中で叫びました。おばあちゃんより先にご飯を食べ終えて、娘を触らせないように遠ざけました」(みどりさん/39歳)

産後の女性が少なからず経験している「ガルガル期」。「育児の手助けをしてくれているだけ」とか「赤ちゃんをかわいがってくれているだけ」と、頭では理解していても、心の奥底から湧き出てくるイライラに戸惑ったというエピソードが多数寄せられました。

情緒不安定な時期は誰にでもあること。イライラ解消エピソード

「ガルガル期を経験すると、自分が酷い人間なんじゃないかと感じ、自己嫌悪に陥ってしまう人も多いようです。でも、産後に情緒が不安定になる時期は誰にでもあること。イライラするのも当然の現象なんだと知っているだけでも心持ちが随分変わってきますよ」と横畑さん。イライラしてしまう自分を受け入れ、ストレスを解消できる方法を自分の中に持っておくといいそうです。

ガルガル期を経験したママたちに、当時行っていたイライラ解消法を聞いてみると…

「地域センターの指導員さんに相談に乗ってもらえたことが一番の救いでした。あと産院の子育て集まりがあり、同じ境遇のママ友とお茶しながら話したり。子どもが公園で遊べるようになって、ママ友が増えた頃にようやくストレス解消できた気がします。なるべく外に出て、世間と繋がってることが大事だなと思いました」(K.W.さん/35歳)

「赤ちゃんに触れてほしくない気持ちと同時に、赤ちゃんばっかりちやほやされて、自分だけが置き去りにされているような感情がありました。だから自分で自分のテンションをあげるためにも、赤ちゃんが寝てる間に好きなネイルアートを楽しみました」(みどりさん/39歳)

「週に一度、主人がお休みの日に赤ちゃんを預けて外出するようにしました。はじめは離れている間も赤ちゃんのことが気になって外出を楽しめなかったです。でも、数回続けているうちに赤ちゃんを預けることに抵抗がなくなり、自分の時間を満喫してリフレッシュできるようになりました」(てっこさん/35歳)

産後に多くの女性が体験する「ガルガル期」。自分に合ったストレス解消法を見つけて、イライラの感情をうまく乗り切っていきたいですね。

(文・宇都宮薫)