日本開催のW杯まであと2年

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既にW杯の前哨戦がスタート

 例えばスポーツ報知は11月27日、「ラグビー日本代表、強豪フランスとドロー!23-23のほぼ大金星」と報じた。

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 ご存じの通り、2019年9月20日から11月2日まで、日本でラグビーワールドカップ2019が開催される。本番まで2年を切ったのだ。そこで日本代表は強化策というよりは前哨戦としてフランス遠征を敢行した。

 初戦はトンガ。11月18日(日本時間19日)に39対6の大差で撃破し、勢いに乗ってフランスと対戦した。フランスは87年、99年、11年と3回も準優勝に輝いている。

 その試合結果は上記の通りだが、ヨーロッパの強豪国に引き分けたのは、15年のワールドカップで南アフリカに勝利した「史上最大の番狂わせ」と同じぐらい価値がある――こうした判断で、日本のスポーツニュースが盛り上がったというわけだ。

日本開催のW杯まであと2年

 ちなみに最新の世界ランキングは17年12月現在、南アフリカが6位、フランスが9位、トンガが13位、そして日本が11位となっている。どうしたって19年の本番に向けて期待が高まってしまうわけだが、ならば「にわかファン」には、ある疑問が浮かぶ。

 それは前任者のエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)と、今のジェイミー・ジョセフHCでは、チームの戦術や特徴などは同じなのか、それとも変わっているのか、という疑問だ。

「ハードワーク」vs「スマート」

 ちなみにエディー前HCは60年1月にオーストラリアで、ジェイミーHCは69年11月にニュージーランドで出生している。57歳と48歳。共に就任前から指導やプレーで日本との接点を持っていた。

 それでは「エディージャパン」と「ジェイミージャパン」の相違点はどのようなところにあるのか、ラグビーライターの向風見也(むかい・ふみや)氏に解説を依頼した。向氏は現地フランスで試合を観戦し、会見などの取材も行っている。

「エディーのキーワードが『ハードワーク』なら、ジェイミーは『スマート』と表現できるかもしれません。エディーは猛練習で選手を追いつめ、運動量で圧倒するラグビーを目指しました。勤勉で献身的な日本人に向いていると判断したからです。比較的ボール保持の時間が長かったのが特徴的でした。一方のジェイミーは、状況に応じてパス、キックを使い分け、効率的にスペースを攻略するスタイルを目指しています。チーム作りでは、より選手の自主性を重んじています」

 日本ラグビー協会の公式サイトに掲載されたフランス戦の記事中には、

《「空いているスペースを攻めて、空いてなかったら蹴る」(SO田村優)スタイルで、フランスにプレッシャーをかけ続けた》

 との記述がある。当然ながら向氏の指摘と合致しており、これがジェイミー流ということになりそうだ。

来年2月にはスーパーラグビーが開幕

 それではフランス戦で、日本代表はどのように戦ったのか、向氏に総括してもらった。

「前に出るディフェンスでプレッシャーをかけ、ボールを大きく回して得点を奪うなど、自分たちがやりたいことは実現できたのではないでしょうか。ただ、フランス代表はメンバーも固定できず直近の試合で連敗中と、チーム状態は良くありませんでした。日本代表がワールドカップ8強以上を狙っていることを考えると、勝てそうな試合を落としてしまった印象もなくはありません。15歳で来日したキャプテンのリーチマイケル(29)も『満足していない』と話していました」

「もう2年を切った」という表現は間違いで、「あと2年しかない」というのが正確なところだという。

 ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカ共和国・アルゼンチン・日本の5か国、計15のクラブチームにて行われるラグビーユニオンの国際リーグ戦「スーパーラグビー」は2月に開幕する。

 そこに日本に本拠地を置くクラブチーム「サンウルブス」は、代表メンバーに近い陣容で臨む。HCも同じジェイミー氏だ。日本の活躍を祈る人にとって、まずは必見の試合と言えるだろう。

週刊新潮WEB取材班

2017年12月12日 掲載