古野まほろ氏の新著「天帝のみはるかす桜火」(講談社)。同著の「Amazonレビュー」にまで批判が及んでいた

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読書サークルの学生を「バカ」「クズ」などと罵倒するツイートを投稿したことで物議を醸していた東大法学部卒の作家・古野まほろ氏のツイッターアカウントが、2017年12月11日19時までに削除された。

古野氏は11日朝の投稿で、「何度この状況に置かれても同じ事をする」などと改めて騒動について言及していた。しかし、こうした古野氏のツイートには、大量の批判的なリプライ(返信)が寄せられ、いわゆる「炎上状態」となっていた。

学生側は「大人の対応」

騒動の発端となったのは、北海道大学の推理小説研究会に所属する学生が、団体のツイッターアカウントに寄せた投稿だ。古野氏の著作「禁じられたジュリエット」を読んだサークル員の感想について、12月7日のツイートで、

「ミステリ愛溢れる1冊、ですが最後の謎解きは不要、もしくは必要だが面白くないという人が多かったです。暗唱のシーンが良かったですね。内容とは関係ないですが登場人物の名前が覚えられないのは何故か、という話題が盛り上がりました」

と振り返ったのだ。

この感想ツイートに反応したのが、なんと古野氏本人だった。北大サークルの投稿からわずか9分後に、「バカだからじゃない?」とリプライ。さらに立て続けに、「本人の前で言えクズ」などと激怒した調子でツイートを連投していた。

一連の投稿の中には、北大の偏差値を馬鹿にするような内容や、北海道のことを「蝦夷地」と揶揄する言葉もあった。さらには、学生のことを「お猿さん」と表現したツイートもあった。

こうした古野氏の反応に対し、北大サークルの所属学生を自称する学生は7日夜、古野先生には不快な思いをさせてしまったのかもしれません。申し訳ございません」などとツイッター上で謝罪していた。

また、J-CASTニュースは8日、騒動の発端となったサークルの担当者に対し、メールを通じて取材を依頼していたが、返信は「今回の取材はお断りさせていただきます」というものだった。その上で、学生側からの返信メールには、

「理由といたしましては、今回の取材では古野まほろ先生を批判する形の記事になりかねないと判断したためです。私どもとしては、作者と読者との関係性を悪くする可能性が多分に含まれる物事に参画することは控えさせていただきたいと思っています」

との説明があった。

「モノ言うのも命懸けです」としてアカウント削除

一方の古野氏は騒動以降、ツイッター上で学生側への批判を続けている。8日深夜には「顔も知らん加害者を殴り返すのに人格も立場も品もクソもあるか」とした上で、「先に手を出しといて被害者づらすんな」と投稿。また、10日には、

「公共の場、例えば電車で、顔も知らん相手に唾を吐き掛けられたら。とにかく反撃する。『侮辱』に対して怒る。まさか愛想笑いも迎合も受容もしない まして被害者が最愛の子供なら、自分以上に反撃するのが義務。こっちはそんな甘っちょろい覚悟で子供産んでないんだよ」

と改めて主張。翌11日昼にも、「大切なものを侮辱されれば怒る。何度この状況に置かれても同じ事をする。さもなくばそこで書いたことが全て嘘になる」と訴えていた。

こうした古野氏の投稿のリプライ欄には、

「まじでなんでこんなに怒ってるのかが謎」
「北海道や北大を侮辱したのはお前だけどな。更に北大の子らが書いたのは侮辱ではなく感想。あの感想を侮辱と読み取るなら読解力無さすぎる」
「出版という形で自分の作品を世に出した以上 批判のひとつやふたつ覚悟しろよ」

などと学生への罵倒ツイートを問題視するユーザーからの批判が相次いでおり、いわゆる「炎上状態」となっていた。

また、古野氏の著作の「Amazonレビュー」にも批判は飛び火。12月7日発売の新著「天帝のみはるかす桜火」(講談社)のレビュー欄には、「感想を言えば馬鹿にされます」「北大以下の学歴の人間には理解できない作品のようです」などの感想が寄せられ、評価は最低の1つ星が並んでいた。

こうした批判の高まりを受けてか、古野氏のアカウントは11日19時までに削除され、ページを開いても「このページは存在しません」とだけが表示される状態となっている(同日19時30分時点)。

なお、アカウント削除前最後のツイートは、

「この午後あたりから、身辺に危難が想定され始めました。モノ言うのも命懸けですね。私見を開陳できなくなるのは残念ですが、まさかSNSは身内その他の生命身体財産に代えてまでやるものではない。現実に犯罪を誘発しても、その被疑者と関係機関に申し訳ない 本信の周知期間を置いて、お休みします」

というものだった。